Windows 8.1向けに提供される予定“だった”企業向けポータル機能「Windows Apportal」をご存じでしょうか。“だった”というのは、マイクロソフトのWebサイトからWindows Apportalの痕跡が消えてしまったからです。Windows Apportalの詳細は結局謎のままでしたが、Windows 10では「Advanced Granular UX Control」という新たな謎が登場しました。
「Windows Apportal(ウィンドウズ・アップポータル)」とは、マイクロソフトが2014年7月に発表した、Windows 8.1導入企業のための「ミニ(サブ)スタート画面」アプリのことです。Windows Apportalについては本連載の第12回に取り上げました。
企業は自社またはマイクロソフトのパートナーとWindows Apportalアプリを開発して社内に展開できるというものであり、発表時の段階ではプロトタイプを作成するためのツール「Windows Apportal Prototype Generator」が提供されていたようです。このツールは一般公開されなかったため、詳細は分かりませんでした。
現在、Windows Apportalの公式WebサイトのURLを開いてみると、ページは既に削除されており、「Windows Enterprise」という別のページ(英語サイト)にリダイレクトされます。また、マイクロソフトのWebサイトで「Windows Apportal」と検索してみても、Windows Apportalに関するコンテンツはもはや存在しないようです。
現時点でWindows Apportalが存在したことを示すものがあるとすれば、Windowsストアの「Windows Apportal Prototype Viewer」とYouTubeにアップされた紹介ビデオ(本連載第12回を参照)くらいでしょうか。
ちなみに、「Windows Apportal Prototype Viewer」アプリをWindows 8.1やWindows 10にインストールしたところで、何もできません。「Windows Apportal Prototype Generator」を使用して作成したテンプレートがあれば、それを開くことができるようですが(画面1)。
アプリの説明にあったWindows Apportalの担当アドレスに問い合わせてみましたが、これまでのところ返信はありません。Windows Apportalはこの世にお披露目されることなく、ひっそりと消えてしまったようです。Windows 10では「スタートメニュー」が復活し、「スタート画面」も再設計されていますが、当時はWindows 10のユーザーインタフェース(UI))がこんなに変わるなんて考えはなかったのかもしれません。
Windows 8.1 Enterprise限定の機能の1つに「スタート画面の制御(Start Screen Control)」というものがありました。Windows 10でスタートメニューが復活し、UIや操作性が大きく変更されましたが、「スタート画面の制御」の機能については、引き続きWindows 10 Enterprise(およびEducation)限定の機能として利用可能です。
Windows 10における「スタート画面の制御」の対象は、スタートメニューの横の「スタート画面」のエリアです(画面2)。Windows 10で「タブレットモード」にすると、この部分がWindows 8.1のスタート画面と同じように表示されます。
「スタート画面の制御」の使い方は、Windows 8.1と基本的に同じです。「Export-StartLayout」コマンドレットでカスタマイズしたスタート画面のレイアウトをXMLファイルにエクスポートし、グループポリシーで「管理用テンプレート\タスクバーと[スタート]メニュー\スタート画面のレイアウト」ポリシーを構成します。
ただし、Export-StartLayoutコマンドレットでファイル形式を指定する「-as」パラメーターは、Windows 10のExport-StartLayoutコマンドレットからは削除されています。詳しくは、以下のドキュメントで確認してください。
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