2016年のセキュリティクラスタは、IPAの新資格「情報処理安全確保支援士」の制度内容に猛烈な批判を加えるとともに、Twitterのダウンにヒヤヒヤ。一方で、数々のセキュリティイベントは目いっぱい楽しんでいたようでした。
2016年10月のセキュリティクラスタでは、セキュリティ関連のイベントが全国で開催されたこともあり、イベントに参加した人たちがたくさんのツイートを行っていました。普段SNSだけでやりとりしている人に直接会った人も多くいたことでしょう。
また、セキュリティクラスタのプラットフォームであるTwitterがDDoS攻撃の餌食となりました。IoT機器を乗っ取る「Mirai」ボットネットに攻撃されてしまったのです。
それから、「情報セキュリティスペシャリスト試験」に代わるセキュリティ系の資格「情報処理安全確保支援士」の概要が明らかになり、これについて多くの人が意見をつぶやいていました。
2016年10月24日にはIPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティスペシャリスト試験」から置き換わることになる新たな資格「情報処理安全確保支援士」の詳細が明らかになりました。
2020年に3万人の登録を目指すというこの資格ですが、新たに試験に合格するだけでなく、既に「情報セキュリティスペシャリスト試験」など該当する試験に合格している人も登録料を支払うことで「情報処理安全確保支援士」になれるそうです。
しかし話題となったのは、「どうすればなれるか」ではなく、「登録と維持にお金が掛かる」ということでした。「情報セキュリティスペシャリスト試験」は合格すれば一生ものだったのに対して、「情報処理安全確保支援士」は維持管理するための講習を受けるのに、なんと3年ごとに15万円も掛かるというのです。
これを受けてセキュリティクラスタでは、「3年15万円の講習費用はきつい」「会社員しか登録できない」「CISSPでいいじゃん」「登録に関わる天下り団体が大もうけ」「本当に3万人も登録するの?」など、否定的な意見ばかりが噴出しました。
そんな折、同じ日にNISC(内閣サイバーセキュリティセンター)の「サイバーセキュリティ大喜利」という企画が始まり、「サイバーセキュリティまずは(ここに何か文言を入れる)」というお題が出されたのですが、これに「まずは15万円」とツイートする人が何人も現れていました。
登録している人しかできない独占業務など、この資格を維持することのメリットは今のところ特にないようです。前途多難な予感しかしない「情報処理安全確保支援士」ですが、今後どうなっていくのでしょうか。
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