FTPサーバーを使ってみよう基礎から理解するLinuxサーバー[Cent OS 7.0編](6)(1/2 ページ)

本連載は、Linuxサーバーに初めて触れる人、基本から学習したい人に向けて、「CentOS 7」をベースにLinuxサーバーの基礎を解説していきます。前回は、CentOSに標準で用意されているFTPサーバー「vsftpd」のインストールまでを説明しました。今回は、FTPサーバーの起動とクライアントソフトウェアの使い方を見ていきます。

» 2017年03月16日 05時00分 公開
[中島能和]

連載目次

たった2日でわかる Linuxサーバー Cent OS 7.0対応

書籍の中から有用な技術情報をピックアップして紹介する本シリーズ。今回は、秀和システム発行の書籍『たった2日でわかる Linuxサーバー Cent OS 7.0対応(2015年2月6日発行)』からの抜粋です。

ご注意:本稿は、著者及び出版社の許可を得て、そのまま転載したものです。このため用字用語の統一ルールなどは@ITのそれとは一致しません。あらかじめご了承ください。


※編集部注:前回記事「FTPサーバーを理解しよう」はこちら

FTPサーバーを使ってみよう

vsftpdを起動しよう

 それではvsftpdを起動してみましょう。vsftpdを起動するには、サービス管理コマンドsystemctlを使います。

vsftpdを起動

 起動しても何もメッセージが表示されません。無事に起動したのかどうか心配になった方は、次のコマンドを実行してみてください。activeと表示されれば、vsftpdは稼働しています。

vsftpdの状態

 また、netstatコマンドを使って、開いているポートを確認してみてもいいですね。

開いているポートを確認

 netstatコマンドの実行結果から、grepコマンドを使って「ftp」という文字が含まれる行だけを抜き出しています。ちょっと横道にそれますが、これはコマンドの実行結果から何かを確認したいときの定番の書式ですので、覚えておくと便利です。

参考情報

grepコマンドは、引数に指定した文字列が含まれる行を抜き出して表示するコマンドです。


コマンド | grep 検索文字列


 ところで、次回にシステムを再起動したときには、また同じようにvsftpdを手動で起動しなければなりません。それはちょっと面倒なので、システムを起動するとvsftpdも自動的に起動されるようにしましょう。

vsftpdの自動起動

 これで次回システムを再起動したときには、自動的にvsftpdも起動します。手動で起動するやり方では、どうしても作業漏れが発生してしまいます。自動化できるところは、極力自動化するようにしましょう。

FTPクライアントコマンドでアクセスしよう

 CentOSでは、コマンドラインでFTPサーバーにアクセスするlftpコマンドが用意されています。ただし、最初からインストールされているとは限らないので、まずはlftpコマンドをインストールしましょう。

lftpコマンドをインストールする

 lftpコマンドを使ってvsftpdがちゃんと動作しているか確認してみましょう。studentユーザーとしてFTPログインします。

lftp [ユーザー名@]ホスト名またはIPアドレス


studentユーザーとしてlocalhostにFTPログインする

 「localhost」は自分自身を示す名前です。どんなLinuxサーバーでも「localhost」は、操作中のサーバーそのものを示します

参考情報

「local」はネットワーク越しでないことを示す言葉です。localの反対語は「remote」です。


 パスワードには「password」と入力します。すると、次のようにプロンプトが変わって、FTPコマンドが使える状態になります。

FTPログイン

 ログインが確認できたら、FTPコマンドをいくつか実行してみましょう。FTPコマンドはLinuxのコマンドと似ていますが、FTPログイン時に利用できるコマンドです。確認が終わったらログアウトしましょう。

FTPコマンドの実行

 本書ではコマンドラインでのFTP操作は取り上げませんが、lftpコマンド内で利用可能なFTPコマンドを表にまとめておきます。

主なFTPコマンド
FTPコマンド 説明
cd FTPサーバー側のカレントディレクトリを変更する
lcd ローカル側のカレントディレクトリを変更する
pwd FTPサーバー側のカレントディレクトリを表示する
lpwd ローカル側のカレントディレクトリを表示する
mkdir ディレクトリ ローカル側にディレクトリを作成する
get ファイル名 指定したファイルを1つダウンロードする
mget ファイル名 指定した複数のファイルをダウンロードする
quit lftpを終了する

ONEPOINT

 lftpコマンドでは、パスワードが間違っていてもログイン成功と同じような画面になります。FTPコマンドがうまく実行できない場合は、いったんquitして、もう一度試してみてください。


       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

AI for エンジニアリング
「サプライチェーン攻撃」対策
1P情シスのための脆弱性管理/対策の現実解
OSSのサプライチェーン管理、取るべきアクションとは
Microsoft & Windows最前線2024
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。