ノークリサーチが、企業がサーバを導入する際の「オンプレミスとクラウドのどちらを選択すべきかについての方法論」に関する分析結果を発表。SIerや情報システム部門に向け、その施策立案には確立モデルに基づいて推論する方法が有効と提言した。
ノークリサーチは2017年1月30日、「サーバの導入において、企業はオンプレミスとクラウドのどちらを選択するのか」の調査を踏まえた方法論の分析結果を発表した。
クラウドサービスが一般化する中、担当者は「サーバの調達をクラウド/オンプレミスのどちにすべきか」を知りたく、SIerや企業の情報システム部門としてもその回答と提案を的確に行う必要に迫られている。同社によると、従来の選択肢として用いられた「システム用途によって、クラウドとオンプレミスの販売や提案施策を切り分ける」方法は現実的ではないという。
同社では、企業に対してクラウドを導入する理由を尋ねたアンケート結果を「ベイジアンネットワーク分析」と呼ばれる手法で分析。この分析を行うことで、「クラウドを導入する理由」から「クラウド選択の意思決定プロセス」を抽出できるという。
例えば、1年以内にサーバを「クラウド」として導入すると回答した企業が「セキュリティの高さ」を理由に挙げた割合は26.2%。これに対して「オンプレミス」として導入すると回答した企業がセキュリティの高さを理由に挙げた割合も同等の26.6%だった。このことから、セキュリティの高さの要件は、「オンプレミスではなく、クラウドを選ぶ」という意思決定を大きく左右する要因とはならないと推測される。
また、「処理/保存するデータ容量が非常に多い」という理由が、1年以内に導入するサーバの形態に影響する大きさを調べると、クラウドを選択する割合は85.6%、オンプレミスを選択する割合は14.4%だった。それに対して、データ容量がそれほど多くないシステムにおいては、クラウドの76.2%に対して、オンプレミスは23.8%だった。このことから、「処理/保存するデータ容量が非常に多い」という理由はクラウド導入に与える影響が比較的大きいことが分かる。
このように、クラウドとオンプレミスの選択や使い分けのシステム提案は、確率モデルに基づいた企業ニーズごとの推論が有効と同社はSIerに対して提言。特に、ビッグデータやIoTのについての訴求行うと、サーバ環境のクラウド移行を加速させる可能性が高くなるという。
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