【追記あり】今すぐ試せる、ブルーグリーンデプロイメント環境の構築手順(事前準備と実作業)OpenStack上に構築する、ブルーグリーンデプロイメント実践入門(4)(3/3 ページ)

» 2017年02月17日 05時00分 公開
[ユニアデックス株式会社]
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ステップ3:HorizonにBGD用の設定を追加する

3-1:Horizonダッシュボードのディレクトリへ構成ファイルを配置する

 Horizonダッシュボードの構成ファイルを格納するディレクトリ「/usr/share/openstack-dashboard/openstack_dashboard/dashboards/」へ、展開した「bgddashboard/」をディレクトリごとコピーします。

# cp -pr /var/tmp/UNIADEX_BGD-master/openstack_horizon_bgd-master/bgddashboard  /usr/share/ openstack-dashboard/openstack_dashboard/dashboards/
「/usr/share/openstack-dashboard/openstack_dashboard/dashboards/」へ「bgddashboard/」をコピーする

 「bgddashboard/」ディレクトリには、幾つかのディレクトリとファイルが格納されています。概要は以下の通りです(表3)。

表3 「bgddashboard」ディレクトリに含まれる内容
ディレクトリ/ファイル 内容
__init__.py ライブラリとして使用するための設定ファイル
models.py HorizonのDjangoを使うための設定ファイル
dashboard.py BGD画面のメニュー設定用ファイル
bgdpanel/ BGD画面のメニュー「BGD Panel」の設定用ファイル群が格納されるディレクトリ
static/ BGD画面のcssおよびjsファイルが格納されるディレクトリ
templates/ BGD画面のテンプレート群が格納されるディレクトリ

 重要なのは「dashboad.py」と「bgdpanel/」ディレクトリです。

 dashboard.pyは、Horizonの左側ペインに表示するメニューを構成するファイルです(図3)。Horizonのメニュー→「Blue Green Deployment」→「BDG」→「BGD Panel」で開く一連のメニュー構成が記述されています(図4)。

photo 図3 dashboard.pyで、HorizonのBGD用メニューを構成
photo 図4 dashboard.pyの中身

 dashboard.pyでは、djangoフレームワークを使用して、Bgddashboradクラス(図4の*1)は「Blue Green Deployment」メニューに、Bgdgroupクラス(図4の*2)は「BGD」メニューの構成を設定し、Bgddashboardクラスのpanelsパラメータで「Bgdgroup」を「Blue Green Deployment」メニューとひも付けています。最後に、Horizonに登録しています。

 なお、Bgdgroupクラスで指定している「panels=(‘bgdpanel’,)」は、「BGD Panel」メニューを構成する設定です。こちらはもう1つの「bgdpanel/」ディレクトリにあるファイル群で構成されます(表4)。

表4 「bgdpanel」ディレクトリに含まれる内容
ディレクトリ/ファイル 内容
__init__.py ライブラリとして使用するための設定ファイル
models.py HorizonのDjangoを使うための設定ファイル
panel.py bgdpanelの設定ファイル
tables.py bgdpaneで表示するテーブルの設定ファイル
url.py URL関連の設定ファイル
views.py テーブル表示の設定ファイル
templates/ bgdpanel画面のテンプレートファイル群を格納したディレクトリ

3-2:「bgdpanel」ディレクトリの構成ファイルを確認

 「panel.py」には、前述したdashboard.pyと同様に、djangoフレームワークを使って「BDG panel」で表示される構成(図5の*1)が記述されています(図5)。

photo 図5 panel.pyの中身

 「tables.py」には、「BGD panel」に表示するフローティングIP、フローティングIPにひも付くネットワークとFixed IPを表示するための項目が記述されています(図6)。FipsTableクラス(図6の*1)はHTML上のテーブルを定義し、「network_name(ネットワーク名)」「floating_ip_address(フローティングIPアドレス)」「fixed_ip(fixed IPアドレス)」をテーブルのカラムとして設定しています。ここで設定したテーブルは、get_floatingip_dataメソッド(図6の*2)が呼ばれたときに表示します。メソッドを呼ぶのは次のファイル「views.py」となります。

photo 図6 tables.pyの中身

 「views.py」は、tables.pyのtablesライブラリを使って、実際に表示する「View」を作成するためのコードです(図7)。

photo 図7 views.pyの中身

 「from openstack_dashboard.dashboards.bgddashboard.bgdpanel import tables as fip_table」で、前述したtables.pyの「tables」ライブラリを読み込んでいます。Viewの基になる表を作成する処理は、IndexViewクラス(図7の*1)で実装しています。また、IndexView画面の他に「swichover機能」を実行するための「SwitchOverボタン」を表示するViewを、SwitchoverViewクラス(図7の*2)で定義しています。

 これらの構成ファイルにより、Horizonへ「BGD panel」の表示機能が実装されます(図8)。

photo 図8 Horizonへ追加したBGD Panel画面

 「urls.py」では、「IndexView」とSwitchOverボタンの「SwitchoverView」を、それぞれのURLに関連付けています(図9の*1)。

photo 図9 urls.pyの中身

 SwitchOverボタンとHTML表示を関連付けているファイルが、「template/」内にある「bgdpanel/index.html」となります(図10)。IndexViewは「BGD panel」を表示した時点で動作し、switchoverは「form action="/dashboard/bgddashboard/switchover/{# {% url 'switchover' %}#}"」(図10の*1)と動作するように設定してあります。

photo 図10 メニュー表示用index.htmlの中身

 以上でHorizonへのGDBメニュー用構成ファイルの配置は完了です。

 →(後編へ続く

 後編では、ブルーグリーンデプロイメント環境構築の仕上げとして、「ブルー系/グリーン系切り替え機能のセットアップ」から、最終ステップの「ブルーグリーンデプロイメント環境の動作検証」までの手順を解説します。

筆者紹介

石川智章

ユニアデックス株式会社 どう売ればいいかと考えるOpenStack担当。週末のテニスが楽しみ。

五十嵐祐太

ユニアデックス株式会社 入社以来Linuxの導入/保守を担当。近年は縁あってOpenStackに携わる。

共著:佐々木智一

ユニアデックス株式会社 自社IP電話関連プロダクトなど、ソフトウェア開発を経験した後、近年はSDNやOpenStack、IoTなどに関するR&Dを担当。IKEAでDIYが休日の楽しみ。

共著:田中克弥

ユニアデックス株式会社 パワポと戯れるOpenStack商品企画担当。バックパック片手に世界をぶらり旅。次の旅先を妄想中。



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