カスペルスキーがセキュリティに特化したPOSIX準拠の独自OS「KasperskyOS」を開発。インフラ設備やIoTシステム、コネクテッドカーなどの組み込み機器向けを想定する。
ロシアのセキュリティ企業 カスペルスキーは2017年2月9日、セキュリティに特化した独自OS「KasperskyOS」の提供を開始すると発表した。近年、サイバー攻撃の標的になると懸念される、ネットワークにつながるIoT(Internet of Things)システムやコネクテッドカー、公共インフラシステムの組み込み機器向けに展開する。
KasperskyOSはマイクロカーネルアーキテクチャを基盤とし、セパレートカーネルやレファレンスモニター、MILS(Multiple Independent Levels of Security)、Flux Advanced Security Kernel(FLASK)アーキテクチャなどを採用。IEEE(米国電気電子学会)が策定したアプリケーションインタフェース規格「POSIX(Portable operating system interface)」に準拠し、x86/x64系あるいはARM v6以降のシステム上で稼働できる。
主な特徴は、「あらかじめポリシーに記載した操作のみを実行させる」仕組みを備えること。「セキュリティ」を念頭に置く、つまり、セキュリティの要件にアプリケーションを合わせるのではなく、アプリケーションの要件にセキュリティを合わせていく方法を用い、セキュリティを意識したIoT向けアプリケーション開発を支援できるという。
想定ターゲットは、OEM(Original Equipment Manufacturer:相手先ブランド名製造)/ODM(Original Design Manufacturer:相手先ブランド設計/製造)による機器開発システムインテグレーターやソフトウェア開発者など。電気通信業界、自動車業界、公共インフラなど、業界、業種の要件に合わせてカスタマイズした上で提供される。
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