マイクロソフトのクラウドベースのデータ統合サービス「Azure Data Factory」に「SAP HANA Connector」「SAP BW Connector」が追加された。SAP HANA/Business WarehouseのデータをAzureデータストアへ容易にロードできるようになる。
米マイクロソフトは2017年3月21日(米国時間)、クラウドベースのデータ統合/変換(ETL)サービス「Azure Data Factory」でSAP製品との連携機能を強化したと発表した。「SAP HANA」や「SAP Business Warehouse(BW)」のデータをAzureデータストアへロードできるようにする「SAP HANA connector」「SAP BW connector」を用意した。「Azure Blob」「Azure Data Lake」「Azure SQL Data Warehouse」などのAzureデータストアへデータをロードできる。
SAPは企業システムで広く使われているERP(Enterprise Resources Planning)ソフトウェアの1つ。マイクロソフトは顧客から、「既存のSAPシステムをMicrosoft Azureと統合できるようにしてほしい」という要望が寄せられていたことから、Azure Data Factoryで、まずSAP HANAとSAP Business WarehouseからSAPデータの統合をサポートすることを決めた。
AzureデータストアではSAP connectorを用いることで、既存のSAPシステムのデータの取り込みをサポートする。Azureの情報管理サービス、ビッグデータストア、高度な分析ツール、インテリジェンスツールキットなどを利用して、取り込んだデータの分析やレポーティングなどに活用できるようになる。
SAP HANA connectorでは、SQLクエリを使ったHANA情報モデル(AnalyticビューやCalculationビューなど)や行列テーブルからのデータコピーをサポートする。最新のData Management Gateway version 2.8以降とSAP HANA ODBCドライバをインストールすることで接続を確立できる。
SAP BW connectorは、MDXクエリを使ったSAP BW version 7.x InfoCubesおよびQueryCubes(BExクエリを含む)からのデータコピーをサポートする。最新のData Management Gateway version 2.8以降とSAP NetWeaverライブラリをインストールすることで接続を確立できる。
マイクロソフトは、今回のSAP HANAとSAP BWに続き、他のSAPスタック/サービスについても需要に応じてサポートを拡充する予定としている。
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