前ページ最後の画面中の内訳グラフ((3))を見ると分かるように、Azureでは仮想マシンやディスク(ストレージ)など、かなり細かい単位で課金されています。実際に、どのリソースやサービスにいくらかかっているかは、詳細画面で確認できます。上の画面の円グラフをクリックして表示させてみましょう。
上の詳細画面を見ると分かるように、Azureの課金を決める要因にはさまざまな項目があります。割り当てたCPUやメモリ、ストレージなどの種類や量(サイズ)だけでなく、稼働した時間やネットワークの通信量(帯域幅)、ディスクのトランザクション量、使用したパブリックなIPアドレスの数など、多くの要因に左右されます。
主な課金の要素を次に挙げておきます。
項目 | 課金内容 |
---|---|
CPU/メモリ | CPUの基本性能やコア数、使用時間などに応じて従量制課金。コア数やメモリサイズ、ストレージサイズなどに応じて、いくつか選択できるモデルがあらかじめ用意されている |
ストレージアカウント | ストレージの種類(SSDかHDDか)や容量、使用サイズ、入出力操作数、読み書き量などに応じた従量制 |
ネットワーク通信トラフィック | インターネットからAzureデータセンターへのアップロード方向のトラフィックは無料、ダウンロード方向のトラフィックは従量制。リージョン間のプライベートVNET間通信やVPNなどは従量制 |
IPアドレス | 仮想マシンに割り当てられるローカルIPアドレスは無料だが、動的グローバルIPアドレスは有償。固定グローバルIPアドレスにすると、6つ目以降はさらに追加で課金 |
Azureの主な課金要素 主にAzure仮想マシンにおける、課金の要因となる項目についてまとめてみました。なお課金単位は、1分単位、1時間単位、月額固定など、いくつかの種類があります。 |
パブリッククラウドは従量課金となりますが、Azureの場合も、利用しているリソースやトラフィック/トランザクション量などに応じて累積で計算されます。たとえ仮想マシンが停止していて、リソースの割り当てが解除されていても、リソースとして定義されているだけで課金される項目もあります。なので、余計なリソースや実験的に使用したリソースなどはすぐに削除するなどしないと、無駄に課金される可能性があるので注意しましょう。
Azureのサービスでは、利用するサービスやリソース、オプションに応じて従量制で料金が決まりますが(Azure Active Directoryサービスなど、月額で料金が決まるものもあります)、場合によってはちょっと怖いですよね。特にストレージやIPアドレスなどのリソースを追加したときや、通信量が多くなりそうな場合は、きちんと見積もっておかないと、後で請求書の金額に驚くことにもなりかねません。
Azureの毎月の利用料金がいくらぐらいになりそうかは、料金計算ツールである程度見積もることができます。
今回はAzureの無料試用版を使っていますが、これは30日で期限が切れます。それ移行も継続して利用したければ、有償のサブスクリプションに変更します。そのためには、先ほどの明細ページの冒頭に表示されている「n日で、無料試用版の期限が切れます。」というリンクをクリックして、サブスクリプションの契約を変更しましょう。
今回はAzureの料金について見てきました。仮想マシンを1台動かすと(しかも、Windows Server 2016用としては一番低い性能やサイズ構成の仮想マシンでも)、月々の料金が約1万2000円程度になることが分かりました。ただし、Azureには、ここではまだ触れていないさまざまな機能(スケーリングや冗長構成、バックアップ、マイグレーションなどの信頼性向上機能など)があり、使わない場合は止めておく(リソースを解放しておく)などの措置によって、コストの抑制を図ることができます。それらについては今後触れたいと思います。
というわけで、繰り返しになりますが今回の最後はもう一度こちら。
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