Microsoftは、Office 365の使用状況を示すデータから組織におけるコラボレーション状況や時間の使い方を分析する「Workplace Analytics」を公開した。
Microsoftは2017年7月5日(米国時間)、「Office 365」の企業向けプランのアドオンとして、新しい組織分析ソリューション「Microsoft Workplace Analytics」を正式公開したと発表した。Workplace Analyticsは従業員の行動に関する前例のない洞察を提供し、それらは生産性や仕事の成果、従業員エンゲージメントの向上に利用できるとしている。
Workplace Analyticsは、Office 365の電子メールやカレンダーのメタデータ(宛先/差出人、件名、タイムスタンプなど)を基に、組織におけるコラボレーション状況や時間の使い方を分析する。日々の業務から自然に得られるこうしたデータが、組織内で何が起こっているかを理解するための行動指標とされることになる。
当然のことながら、Office 365のデータは顧客が所有しており、Workplace Analyticsで得た洞察をビジネス課題の解決に応用する方法も顧客が決定する。Workplace Analyticsはプライバシーおよびコンプライアンス機能を搭載し、本人を特定できない形で収集されるメタデータのみを利用する。
Workplace Analyticsは、企業戦略や組織文化に関わる幅広い取り組みに活用できるように、柔軟に設計されている。Microsoftでは、Workplace Analyticsがどのように使われているかを、幾つかの事例で示している。
あるフォーチュン500企業はWorkplace Analyticsを使って、成績優秀な営業担当者のコラボレーションに関するパターンを特定し、それを営業部門全体で活用して、売上増につなげた。例えば、優秀な営業担当者は、顧客とともに費やす時間が長いことや、社内の人脈が広いことが分かった。後者は、顧客からの質問の答えを発見する力の指標になるかもしれない。
Freddie MacはWorkplace Analyticsで組織内における時間の使い方を調べ、マネジャーの行動が従業員のエンゲージメントや勤続に強く影響することを確認した。Workplace Analyticsでは、マネジャーが部下と1対1で向き合う時間や、従業員に対して発揮されるリーダーシップの度合い、組織内での業務の分散の均等度などが測定できる。
ある企業ではWorkplace Analyticsで従業員のカレンダーアイテムのメタデータを分析し、会議のための移動時間を計算して、そのデータをオフィス移転時に利用した。そのおかげで、オフィス移転後の移動時間が大幅に削減された。
各企業はビジネス上、固有の問題を抱えているということを踏まえ、Workplace Analyticsにはカスタムクエリの作成機能が用意されている。ユニークなコラボレーション指標のセットを利用することで、組織内の行動や動向を探ることが可能になる。
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