ExcelのVLOOKUP関数は、複数の表から一致するデータを検索して、表を上手に結合してくれる便利な機能だ。ただ利用には、ちょっとした手順を踏む必要があり、ついつい忘れがちだ。本Tech TIPSでは基本的なVLOOKUP関数の使い方の要点をまとめる。
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対象:Excel 2016/2019/2021/365
例えば、鉛筆やボールペンなどを販売する文房具店を経営しているとしよう。顧客からの注文を「Microsoft Excel(エクセル)」のシートにまとめて、販売総額をExcelで算出するとする。Excelを使って、受注シートの表を作成し、受注した商品名や単価、個数を入力、後は個数と単価をかけて販売商品ごとの金額を算出して、各商品の金額を総計してトータル価格を計算する。ごくごく一般的なExcelの帳票処理だ。
しかし、商品の価格は仕入れによっても変わる場合もあるし、商品名を毎回手入力するのはかなりばかばかしい作業で、間違えも起こりがちである。こういう場合、普通は商品一覧と単価をまとめた表を別に作っておき、受注シートに転記することが多いだろう。
この際、手作業によるコピー&ペーストではなく、Excelの関数を使い、自動的に転記できるようにしておくとよい。それには、商品コードなど共通する列情報から、合致する行のデータを自動的に他方の表に転記できるExcelの「VLOOKUP(ブイルックアップ)関数」が使える。
VLOOKUP関数は、指定した表の範囲内にある先頭列を検索対象として、垂直(Vertical)に探し(Lookup)、検索値と合致した行の指定した列の値を返すというものだ。
例えば、先頭列に商品コード、2列目に商品名、3列目に単価を入力した「価格テーブル」があれば、商品コードで検索することで、商品名や単価を自動的に入力させることができる。
同様に顧客データの顧客コードから氏名や住所などの顧客情報を取り出すといった用途や、データの抜け漏れチェックや表の結合などにも利用にも使える。
VLOOKUP関数は、Excelで表形式のデータを検索する場合に、よく使われる関数なので、ぜひ覚えておきたい。ただし、VLOOKUP関数は引数が多いこともあり、いざ使おうと思っても、正しい使い方がなかなか思い出せないものでもある。そこで、本Tech TIPSでは基本的なVLOOKUP関数の使い方を紹介する。
なお、同様の関数として、表の先頭行を水平(Horizontal)方向に検索する「HLOOKUP(エイチルックアップ)関数」や水平、垂直のどちらでも使える「XLOOKUP(エックスルックアップ)関数」もある(XLOOKUP関数は、Excel 2016とExcel 2019では使用できないので注意)。参照する表の方向が違うだけで、使い方は同じなので、VLOOKUP関数の使い方をマスターしておけば、HLOOKUP関数やXLOOKUP関数も使えるようになるはずだ。
VLOOKUP関数の書式は下図の通りである。
引数 | 説明 |
---|---|
第1引数 | 検索値となる商品コードなどが入力されたセル番号 |
第2引数 | 参照先の表の範囲 |
第3引数 | そのセルに入力したい項目が、参照先の表の範囲で先頭から何列目にあたるか(列番号)を指定 |
第4引数 | 検索方法を指定する。「FALSE」または「0」ならば検索値が完全一致するデータのみ/「TRUE」または「1」ならば検索値が完全一致するか、ない場合は一番近いデータを探して入力 |
VLOOKUP関数の引数 |
VLOOKUP関数には、関数が参照する別に用意した表(上述の「価格テーブル」のような「商品コード」「製品名」「価格」などが並んだ表)が必要になる。その表は、同じシート上でも別シート上でも、別ブックにあっても構わない。ここでは、参照する表を別シート上に用意することとする。
VLOOKUP関数で参照する表には、VLOOKUP関数で検索値となる商品コードや型番などを一番左の列に配置しておく。VLOOKUP関数を記述する方の表では、商品コードや型番を入力すると、対応する製品名や価格をVLOOKUP関数が埋めてくれる、というのが一般的な使い方になる。
参照する表が用意できたら、受注シートや見積表などでVLOOKUP関数を使った自動入力を設定しよう。
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