NTTコミュニケーションズとNTTPCコミュニケーションズは、「IoTセキュリティ基盤」の有用性に関する検証を2017年12月に開始する。同社らが構築した「IoTセキュリティ基盤」でIoTデバイスやシステムを脅威から守れるかどうかを検証する。
NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)とNTTPCコミュニケーションズ(以下、NTTPC)は2017年9月4日、「カーモビリティ」「スマートホーム」「エデュケーション」分野におけるIoT(Internet of Things)セキュリティ基盤の有用性に関する検証を2017年12月に開始すると発表した。
IoTによって社会や生活の質を向上させられると期待が高まる一方で、年々巧妙化するサイバー攻撃による脅威やリスクも懸念されている。セキュリティ対策が十分でないIoTデバイスやシステムを明確に狙うIoTボットネット「Mirai」などの脅威は、既に増加の一途をたどっている。
本取り組みは、総務省から受託した「IoTセキュリティ基盤を活用した安心安全な社会の実現に向けた実証実験」としてNTT ComとNTTPCが構築した「IoTセキュリティ基盤」を用いて、IoTデバイスのマルウェア感染、IoTデバイスを踏み台にしたDDoS(Distributed Denial of Service)攻撃などの脅威からシステムを守れるかどうかの検証を行うもの。(1)カーモビリティ、(2)スマートホーム、(3)エデュケーションの3つの分野に注力し、それぞれタイムズレスキュー、TOTO、小金井市立前原小学校と協業して実施する。
カーモビリティ分野では、車両に取り付けた専用通信端末からデータを収集し、そのデータを基に、利用者に対して故障や事故のリスクを通知することで走行中のトラブルを抑止するサービスを検証する。スマートホーム分野では、健康管理や高齢者見守りサービスのさらなる向上を目指す。トイレなどに設置したセンサーから介護を要する高齢者の状態を把握したり、収集したデータを分析して未病状態の発見につなげたりするサービスを検証する。エデュケーション分野では、児童の学習履歴や校内の環境データを収集し、それらの因果関係を把握することで学習効果を高められるシステムの実現を目指す。学校教育のデジタル化を支援するNTT Comのクラウドサービス「まなびポケット」を利用する。
これらのサービスに対し、IoTセキュリティ基盤ではデバイス管理、ソフトウェアアップデート、データの暗号化、データ改ざん防止、脅威検知と原因の特定、緊急時対応(ネットワーク停止)などの機能が有用かどうかを検証する。
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