世界でもランサムウェアの遭遇率が低い日本――Microsoftがセキュリティレポートを公開クラウドで攻撃頻度と複雑性が向上

Microsoftは最新の「セキュリティインテリジェントレポート」でランサムウェアとクラウドの脅威について分析した。ランサムウェアが世界中の多くの地域で影響を及ぼすものの、日本での遭遇率は圧倒的に低かった。

» 2017年10月16日 11時00分 公開
[@IT]

 Microsoftは2017年10月13日、最新の「セキュリティインテリジェントレポート」を発行したと同社の公式ブログで明らかにした。同レポートは世界の脅威の現状に関する詳細なデータと洞察を提供するもので、年に2回発行されている。2017年上半期を対象とした最新の第22版では、100カ国以上についてエンドポイントとクラウドの脅威について分析した。

2017年10月13日に発行された「セキュリティインテリジェントレポート」

 同レポートでは、主にランサムウェアに対する遭遇とクラウドに対する攻撃について述べている。

 ランサムウェアは、世界中の多くの地域で影響を及ぼしており、米国での遭遇率は0.02%。世界で最も遭遇率が高い地域は欧州で、チェコ共和国が0.17%、イタリアとハンガリー、スペインが0.14%、ルーマニアとクロアチアが0.13%、ギリシャが0.12%だった。日本は、アジアの21カ国の中では最も遭遇率が低く、0.012%だった。この遭遇率は、全世界でも圧倒的に低い。

 一方、クラウドに関しては攻撃の頻度と複雑性が高まっている。Microsoftのクラウド上のユーザーアカウントに対する攻撃は、対前年同期比で300%増加しており、悪意のあるIPアドレスから試行されたサインインの数も44%増えたという。

 Microsoft Azureなどのクラウドサービスも定常的なターゲットになっている。仮想マシンなどのサービスを悪用する攻撃が世界中で起きており、そのうちAzureに対する外部からの攻撃の多くが、中国と米国内のIPアドレスからで、その割合はそれぞれ35.1%と32.5%だった。

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