VMwareとAmazon Web Services(AWS)は2017年11月28日(米国時間)、VMware Clooud on AWS(以下、VMC on AWS)で、新リージョン、Direct Connect、Site Recoveryサービスの提供など、大幅な機能強化を発表した。「続・VMware Cloud on AWSについて、現時点で分かっていること」という記事の中で、VMwareのVMC on AWSプロダクトマネジメント担当シニア・ディレクター、ナラヤン・バラワジ氏の発言として紹介したことは、おおむね実現した。
VMwareとAmazon Web Services(AWS)は2017年11月28日(米国時間)、VMware Clooud on AWS(以下、VMC on AWS)で、新リージョン、Direct Connect、Site Recoveryサービスの提供など、大幅な機能強化を発表した。「続・VMware Cloud on AWSについて、現時点で分かっていること」という記事の中で、VMwareのVMC on AWSプロダクトマネジメント担当シニア・ディレクター、ナラヤン・バラワジ氏の発言として紹介したことは、おおむね実現した。
参照記事:
「VMware Cloud on AWS」の、AWS、ヴイエムウェア、ユーザー企業にとっての意味は
画面で見るVMware Cloud on AWS。AWSで手軽に専有vSphere環境を構築
VMware Cloud on AWSについて、現時点で分かっていること
続・VMware Cloud on AWSについて、現時点で分かっていること
まず、VMC on AWSはこれまで米国西部(オレゴン)でのみ提供されていたが、米国東部(バージニア北部)における提供が開始された。また、料金体系では、月額課金に加えて1年あるいは3年の事前コミットによるディスカウントが得られるようになった。
規模に関しては、当初最大16台の物理マシンで1クラスタを構成できるとされていたが、これが32台に拡大した。さらに、まもなく10クラスタで単一のSDDC(仮想データセンター)を構成できるようになるという。従ってユーザー組織は、最大320台の物理マシンで仮想データセンターを運用できることになり、仮想マシン数が数千という規模を実現できる。
機能面での大きな変化はDirect Connectへの対応とSite Recoveryサービスの提供開始。これらにより、VMC on AWSのユースケースを限定する要因となっていた主要な機能制限は取り払われたといえる。
Direct Connectへの対応では、あるユーザー組織がAWSへの接続に用いているDirect Connect接続を、同一リージョンに同組織が構築したVMC on AWSクラスタへの接続に使えるようになる。また、ユーザー組織は自社データセンターとVMC on AWSとの間で、Direct Connect上にレイヤー2接続を張ることができる。このため、自社データセンターとVMC on AWSとの間で双方向のvMotion(ライブマイグレーション)ができる。
また、新たに提供のVMware Site Recoveryは、VMware Site Recovery Manager(SRM)的な災害対策機能(ディザスタリカバリ)を、仮想マシン単位のサービスとしたもの。ユーザー組織の自社データセンターとVMC on AWSクラスタとの間、あるいは複数アベイラビリティゾーン(AZ)間で仮想マシンを複製し、メインデータセンターが災害で稼働できなくなった場合に、バックアップ側でこの仮想マシンをほぼ自動的に起動できる。フェイルバックも可能。
もう1つ、実質的な意味で重要な発表に、「VMware Hybrid Cloud Extension for VMware Cloud on AWS」がある。
これはVMwareが2017年9月、VMworld Europe 2017で、VMware HCX Technologiesという名称で発表していた技術を、VMC on AWSでサービスとして提供するもの。
VMware vSphere 5.xで運用されている(複数の)自社データセンターから、最新のvSphereバージョンで運用されるVMC on AWS環境へ、SD-WAN的な技術を通じて仮想マシンをライブマイグレーションできる。大規模環境を、IPアドレスなどの構成を保ったまま移行できるという。これにより、「大規模データセンターの移行・集約」というユースケースに直接対応する。
VMC on AWSクラスタからのネイティブAWSサービスの利用に関しては、既にAWS Lambda、Amazon Simple Queue Service(SQS)、Amazon S3、Elastic Load Balancing、Amazon EC2、Amazon RDS、Amazon DynamoDB、Amazon Kinesis、Amazon Redshiftなどが利用可能となっている。今回新たにAmazon Elastic File System(EFS)も利用できるようになったという。これにより、ネイティブAWSサービスのデータサービスの拡張性を生かして大容量な非構造化データを保管し、これをVMC on AWSの既存アプリケーションから利用するというユースケースも実現しやすくなった。
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