人工知能ワークロード向けプロセッサを搭載――IBM、次世代Power Systemsサーバを発表x86サーバに比べて約4倍の機械学習速度

IBMは、次世代のPower Systemsサーバ「Power System AC922」を発表した。人工知能ワークロード向けに設計されたプロセッサ「POWER9」を採用。ディープラーニングによる機械学習は、x86サーバと比べて約4倍高速化した。

» 2017年12月07日 11時00分 公開
[@IT]

 IBMは2017年12月5日、次世代のPower Systemsサーバ「Power System AC922」を発表した。人工知能(AI)ワークロード向けに設計されたプロセッサ「POWER9」を採用した。16コアまたは20コアのPOWER9プロセッサを2基備え、主記憶容量は、最大1TB。GPUは、最大で4個のNVIDIA Tesla V100を内蔵する。

 Power System AC922は、NVIDIAのGPU「NVIDIA Tesla V100」を備えており、オープンソースソフトウェア(OSS)ライブラリ「Chainer」「TensorFlow」「Caffe」といったAI向けのフレームワークと、「Kinetica」などのデータベース管理システムの処理性能向上に向けて設計されている。ディープラーニングによる機械学習は、IBMがベンチマークテストを実施した結果、x86サーバ(Xeon E5-2640 v4)と比べて約4倍高速化できたという。

画像 IBM Power System AC922のイメージ図(出典:IBM)

 また、Power Systemsとして初めて、CPUとGPUを接続する「NVIDIA NVLink 2.0」やサーバ向けインターコネクト技術「OpenCAPI(Open Coherent Accelerator Processor Interface)」、I/Oシリアルインタフェース「PCI Express 4.0」といったI/O(入出力)技術を採用した。PCI Express 3.0を採用したx86サーバと比べて9.5倍、データ転送を高速化できるとしている。

 Power System AC922では、アプリケーションがCPUの主記憶領域をGPUメモリとして利用できるため、GPUのメモリ不足を解消する。また、GPUでのデータ処理の際、CPUの主記憶領域からGPUメモリに処理対象データを転送する必要もなくなることから、プログラミングを簡素化できる。NVLinkでCPUとGPUを直結させるため、メモリ共有がボトルネックになることもないという。

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