詳細な解説は後にして、まずは正解から。
Windows 10 Creators Update(バージョン1703)以降、メモリ容量が十分にある場合、Svchost.exeプロセスによるサービスのホストの挙動が変わり、Svchost.exeプロセスとサービスDLLの対応が「ほぼ1対1」になります(例外もあります)。その結果、同時に大量のSvchost.exeプロセスが稼働することになります。
これは、サービスのプロセスを分離することによって、セキュリティや安定性を高めるための新しい仕様です。その境界は「3.5GB(3584MB)」であり、3.5GBまでは従来と同じ挙動、3.5GBを超えると(3.5GBを含まない)新しい挙動になります。
プロセスが増えると、その分、リソースも多く消費することになりますが、そのあたりは「メモリの圧縮」や「ページ統合」といった新しいメモリ管理機能で抑制しようとします。詳しくは、本連載の第97回をご覧ください。なお、第97回では言及しませんでしたが、Windows Server バージョン1709も3.5GBを超えるとSvchost.exeプロセスが急増する同じ仕様になっていました。
(1)のAdobe Flash Playerの手動ダウンロードとインストールは、インストールがブロックされます。(2)の「デスクトップエクスペリエンス」の機能のインストールは、Windows Server 2012/2012 R2の場合の方法です。Windows Server 2016の場合は(3)の「リモートデスクトップセッションホスト」(RDセッションホスト)の役割サービスのインストールが正解です。詳しくは、本連載の第78回で説明しました。
この3つの選択肢では(3)が正解になるわけですが、実は、Adobe Flash PlayerのためだけにRDセッションホストの役割サービスをインストールするのはお勧めできません。
なぜなら、「リモートデスクトップサービスクライアントアクセスライセンス(RDS CAL)」を購入し、RDライセンスサーバをセットアップしてRDS CALをインストールしない限り、RDセッションホストの一部の機能は120日間の評価モードの後、機能しなくなります。そうなると、通常の方法でリモートデスクトップ接続しようとしても拒否されます(画面4)。
引き続きリモートデスクトップ接続で接続するには、「mstsc.exe」の「/admin」オプション(リモートPC管理用セッションへの接続)を使用する必要があります。また、RDセッションホストの役割サービスをインストールすると、既定のパフォーマンスオプションが「バックグラウンドサービス」から「プログラム」に変更されることにも注意が必要です(これは「バックグラウンドサービス」に戻すことが可能です)。
Windows Server 2016では、次の「DISM」コマンドを使用してAdobe Flash Playerのコンポーネントだけを個別にインストールすることもできます(画面5)。
dism /online /add-package /packagepath:"C:\Windows\servicing\Packages\Adobe-Flash-For-Windows-Package~31bf3856ad364e35~amd64~~10.0.14393.0.mum"
以下の公式ブログに書かれているように、この方法は正式にサポートされています。
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