ESETによると、2017年は脆弱性の報告件数が前年比で2倍以上に増えて過去最高となり、中でも重大な脆弱性が近年の傾向に沿って急激に増加した。
スロバキアのセキュリティ企業ESETは2018年2月5日(現地時間)、セキュリティ脆弱(ぜいじゃく)性データベースサイト「CVE Details」と「National Vulnerability Database(NVD)」のデータを基に、2017年の脆弱性報告件数の大幅な増加と、ここ数年の重大な脆弱性の増加傾向を公式ブログで解説した。
以下、内容を抄訳する。
CVE Detailsによると、2017年に報告された脆弱性の件数は1万4700件強と過去最高を記録した。2016年の6447件と比べて、2倍以上に達している。
また2017年は脆弱性がこれ以上のペースで増えていた可能性がある。この報告件数には、メーカーやユーザーに知られることなく、“野放し”になっているゼロデイ脆弱性が含まれていないからだ。このことを認識しておくことも重要である。
脆弱性の報告件数を1日当たりで見ると、2016年が平均17件だったのに対し、2017年は平均40件となっている。
National Vulnerability Database(NVD)によると、ここ数年、重大な脆弱性が増加したという。
現在、脆弱性の評価では、共通脆弱性評価システム「CVSS(Common Vulnerability Scoring System)」のv2とv3が使用されているが、どちらの深刻度区分でも、重大な脆弱性が増えている。
具体的には、CVSS v2では脆弱性の深刻度が3つに区分され、最も深刻なものが「高」。CVSS v3では5つに区分され、最も深刻なものが「緊急」で、いずれも増加傾向にある。
CVSS v3で「緊急」と評価された脆弱性は、過去5年で急激に増えている。2013年は0件だったが、2017年は前年とくらべてほぼ倍増の2070件となった。
CVSS v2で「高」と評価された脆弱性も、2017年には4100件超に達し、2016年の2470件から60%以上増加した。
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