Oracleは「Oracle IoT Cloud」に、拡張現実(AR)、マシンビジョン、デジタルツイン、自動データサイエンスというインダストリー4.0機能を新たに追加する。
Oracleは2018年2月13日(米国時間)、「Oracle Internet of Things(IoT)Cloud」の新しいインダストリー4.0機能として拡張現実(AR)、マシンビジョン、デジタルツイン、自動データサイエンスを発表した。
企業はこれらの高度なモニタリングおよび分析機能により、資産や社員などの詳細な追跡や、問題のリアルタイム検出、予測分析を行うことで、業務効率の向上、コスト削減、新しい収入源の創出を実現できると、Oracleは述べている。
例えば、資産、機械、社員、車両のパフォーマンスに関する豊富な洞察の獲得により、サプライチェーン、製造、物流の最適化や、新商品の市場投入期間の短縮、新しいビジネスモデルの構築が可能になるという。
Oracle IoT Cloudは、SaaS(Software as a Service)アプリケーションとPaaS(Platform as a Service)を提供しており、Oracleは今回発表した新機能をSaaSの「IoTアプリケーション」全体にわたって提供する。その中には「IoT Asset Monitoring Cloud」「IoT Production Monitoring Cloud」「IoT Fleet Monitoring Cloud」「IoT Connected Worker Cloud」「Service Monitoring for Connected Assets」が含まれる。
オペレーターやプラントマネジャーがオペレーション指標や関連する機器情報を物理資産のコンテキストで見ることができ、迅速なトラブルシューティングや効果的なメンテナンスにつなげられる。また、技術者のトレーニングにARを利用することで、ミスが減り、作業時間も短縮され、生産性が向上するという。
対象を損傷させずに詳細な外観検査を高速かつ大規模に行い、目視では分からない欠陥を検出できる。異常やエラーが検出されると、適切な是正措置が開始される。
リモートユーザーが資産の状態をモニタリングし、障害を未然に防いだり、ビジネスプロセスのコンテキストで「What-if」シナリオのシミュレーションを実行したりできる。また企業は物理世界を扱うための新しいオペレーションパラダイムに基づき、業務コストや設備投資の抑制、ダウンタイムの最小化、資産パフォーマンスの最適化を図れる。
自動化されたデータサイエンスと人工知能(AI)アルゴリズムにより、生産の歩留まりと生産量、資産の利用、在庫、車両パフォーマンス、社員の安全性などを継続的に分析し、問題の発生を未然に予測できる。多数のデータサイエンティストを雇用することなく、各現場でモダンなサプライチェーンの各ステップのパフォーマンス指標を見て、問題を掘り下げて分析できる。
OracleのIoTアプリケーション担当グループバイスプレジデントを務めるバガット・ナイナニ氏は「IoTは、インダストリー4.0の可能性を実現する優れた基盤であり、原材料の調達から顧客注文の処理まで、生産プロセスの全ステップでリアルタイムの可視化や、迅速な応答を可能にする」と語る。
「企業はOracle IoT Cloudを利用して、ビジネスアプリケーションと物理的な機器の間でのシームレスなインタラクションモデルに支えられた、スマート工場やモダンなサプライチェーンを構築できる。OracleのIoTアプリケーションは、リアルタイムのデータストリームを受信して、予測型の洞察を提供し、迅速にROI(投資対効果)が得られるインテリジェントなビジネスプロセスを実現する」(ナイナニ氏)
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