NECは、「視線追跡」や「触覚フィードバック」といった次世代ヒューマンインタラクション技術とVR技術を組み合わせた法人向けソリューションを2種類開発した。買い物客の視線を可視化した店舗棚割りシミュレーションと、「感触」の共有による臨場感の高いトレーニングを可能にする。
NECは2018年3月20日、VR(仮想現実)技術を活用した法人向けソリューションを2種類開発したと発表した。「視線追跡」や「触覚フィードバック」といった次世代ヒューマンインタラクション技術と業務アプリケーションを連携させ、VRならではの付加価値提供、コスト削減などを実現する。NECは、「より効果的なシミュレーションやトレーニングを可能にする」としている。
調査会社トレンドフォースによれば「2020年までに8兆円規模の成長が見込まれている」VR市場は、エンターテインメント領域を中心に導入が進んでいる。一方、NECによれば、人手不足解消や生産性向上などを目的としたVR技術の活用を進める法人向け市場では、最新のインタラクション技術との連携が求められているという。
視線追跡技術を応用したVRソリューションは、小売店の店舗で買い物客の視線を可視化した店舗棚割りシミュレーションを実現。ユーザーが入力した商品棚の共通棚割り情報(PTS:Planogram Transfer Specifications)を基に、VR空間に3次元の商品棚を表示する。視線追跡が可能なFOVEのVR対応視線追跡型ヘッドマウントディスプレイを活用し、買い物客の視点で商品棚を見た軌跡をヒートマップとして可視化できるようにした。これにより、棚割りの効果を検証できるという。
触覚フィードバック技術を応用したVRソリューションは、工場などで行う各種作業のトレーニングをVR空間で体験可能にするもの。従来のVRソリューションに加え、exiiiの触覚フィードバックデバイス「EXOS」を活用することで、実際に物をつかんだときの手の「感触」を実感させ、より臨場感の高いトレーニングを可能にする。NECは、「今後は、複数人による共同トレーニング作業にも対応させる予定」としている。
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