2017年第4四半期における世界のコンバージドシステム売上高、前年同期比9.1%増の36億ドル、2017年通年は125億ドル超ハイパーコンバージドシステムが急成長

IDCによると、2017年第4四半期における世界のコンバージドシステム市場の売上高は前年同期比9.1%増の36億ドル、通年では前年比9.4%増の125億ドル超となった。

» 2018年04月05日 10時30分 公開
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 IDCは2018年4月3日(米国時間)、2017年第4四半期と通年におけるコンバージドシステムの世界市場動向を発表した。2017年第4四半期の売上高は前年同期比9.1%増の36億ドル、通年では前年比9.4%増の125億ドル超となった。年間売上高が120億ドルを超えたのは初めてだ。

 IDCは、コンバージドシステム市場が3つのセグメントで構成されると定義している。その内訳は「統合プラットフォーム」「ハイパーコンバージドシステム」「動作確認済みレファレンスシステムおよび統合インフラ」だ。

2016年第4四半期〜2017年第4四半期における世界のコンバージドシステム市場の売上高推移(売上高:百万ドル)(出典:IDC 2018)

 IDCが報告するこれらのセグメントの売上高には、ハードウェアとソフトウェアの売上高が含まれるが、サービスとサポートの売上高は含まれない。

統合プラットフォーム

 統合プラットフォームは、あらかじめ統合された追加のパッケージソフトウェアやカスタムシステムエンジニアリングとともに販売される統合システムであり、アプリケーション開発ソフトウェア、データベース、テスト、統合ツールなどの機能に最適化されている。

 2017年第4四半期における世界の統合プラットフォームの売上高は、前年同期比で18.1%減少し、6億7550万ドルとなった。コンバージドシステムの売上高全体に占める割合は18.6%だった。

 統合プラットフォームの売上高が最も多かったベンダーは、3億6050万ドルを売り上げたOracleで、市場シェアは53.4%を獲得した。

ハイパーコンバージドシステム

 ハイパーコンバージドシステムは、コアストレージおよびコンピュート機能を、高度に仮想化された1つのソリューションにまとめたものだ。ハイパーコンバージドシステムを他の統合システムと区別する重要な特徴についてIDCは、「全てのコンピュートおよびストレージ機能を同じx86サーバベースのリソースで提供できるスケールアウトアーキテクチャとその機能だ」としている。

 2017年第4四半期における世界のハイパーコンバージドシステム売上高は、前年同期比69.4%増の12.5億ドルとなり、コンバージドシステムの売上高全体の34.3%を占めた。2017年のハイパーコンバージドシステムの年間売上高は37億ドルを超え、前年比で64.3%増えた。

 IDCはハイパーコンバージドシステム市場については、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)ソリューションのブランド別と、中核的なハイパーコンバージド機能を提供するソフトウェアの提供元別に、上位ベンダーの実績を以下の2つの表で報告している。

表1 2017年第4四半期のハイパーコンバージドシステムの世界市場上位3社:HCIソリューションのブランド別(売上高:百万ドル)
企業 4Q17売上高 4Q17市場シェア 4Q16売上高 4Q16市場シェア 4Q17/4Q16売上高成長率
1. Dell* 346.8 27.8% 145.9 19.8% 137.7%
2. Nutanix 243.0 19.5% 161.4 21.9% 50.6%
T3. HPE** 61.6 4.9% 14.0 1.9% 340.4%
T3. Cisco** 56.3 4.5% 18.8 2.5% 199.7%
その他 541.0 43.3% 397.1 53.9% 36.2%
合計 1248.6 100% 737.1 100% 69.4%
(出典:IDC Worldwide Quarterly Converged Systems Tracker, April 3, 2018)
*Dellの売上高は、DellとEMCそれぞれの売上高の合計(両四半期とも)
**IDCは、世界のコンバージドシステム市場における複数ベンダーの売上高シェアの差が1%以下の場合、統計的に同じ順位と見なしている


表2 2017年第4四半期のハイパーコンバージドシステムの世界市場上位4社:HCIソフトウェアの提供元別(売上高:百万ドル)
企業 4Q17売上高 4Q17市場シェア 4Q16売上高 4Q16市場シェア 4Q17/4Q16売上高成長率
1. VMware 405.1 32.4% 191.7 26.0% 111.4%
2. Nutanix 368.4 29.5% 231.4 31.4% 59.2%
3. Dell* 96.5 7.7% 81.6 11.1% 18.2%
4. HPE 62.2 5.0% 14.1 1.9% 339.8%
その他 316.5 25.3% 218.3 29.6% 45.0%
合計 1248.6 100% 737.1 100% 69.4%
(出典:IDC Worldwide Quarterly Converged Systems Tracker, April 3, 2018)
*Dellの売上高は、DellとEMCそれぞれの売上高の合計(両四半期とも)

動作確認済みレファレンスシステムおよび統合インフラ

 動作確認済みレファレンスシステムおよび統合インフラは、サーバハードウェア、ディスクストレージシステム、ネットワーク機器、基本的な要素/システム管理ソフトウェアを含み、あらかじめ統合された、ベンダーが動作確認済みのシステムを指す。

 2017年第4四半期の動作確認済みレファレンスシステムおよび統合インフラの世界の売上高は17億ドルとなり、前年同期比で3.4%減少した。コンバージドシステムの売上高全体に占める割合は47.1%だった。上位3社の売上高と市場シェアは以下の表の通り。

表3 2017年第4四半期の動作確認済みレファレンスシステムおよび統合インフラの世界市場上位3社(売上高:百万ドル)
企業 4Q17売上高 4Q17市場シェア 4Q16売上高 4Q16市場シェア 4Q17/4Q16売上高成長率
1. Dell* 735.0 42.9% 859.4 48.4% -14.5%
2. Cisco/NetApp 565.6 33.0% 486.7 27.4% 16.2%
3. HPE 289.3 16.9% 278.6 15.7% 3.9%
その他 124.4 7.3% 149.7 8.4% -16.9%
合計 1714.3 100% 1774.4 100% -3.4%
(出典:IDC Worldwide Quarterly Converged Systems Tracker, April 3, 2018)
*Dellの売上高は、DellとEMCそれぞれの売上高の合計(両四半期とも)

 IDCのエンタープライズサーバおよびストレージ担当リサーチバイスプレジデントを務めるエリック・シェパード氏は、次のように説明している。

 「2017年を通じて、コンバージドシステムを導入する組織が増加を続けた。その結果として、コンバージドシステムは年間125億ドル超の市場規模となった。全ての市場セグメントで年間売上高が伸びたわけではないが、成長したセグメントの製品は、今日のデータセンターが直面する根本的なインフラ課題に関連する大きなメリットを提供できた」

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