チャットbotとの会話を“トランシーバー”から“電話”に、Microsoftが全二重音声検知技術を開発人間同士の会話のようにチャットbotと話せるように

Microsoftは、中国で提供中のソーシャルAIチャットbot「XiaoIce」に「全二重音声検知」技術を実装した。会話の「間」を予測し、電話のように自然な会話が可能になる。利用者がしゃべっているタイミングをチャットbotに教える必要もない。

» 2018年04月12日 08時00分 公開
[@IT]

 Microsoftは2018年4月11日、中国で提供中のソーシャルAIチャットbot「XiaoIce(シャオアイス)」に「全二重音声検知」技術を実装したことを、同社の公式ブログで明らかにした。

 これまでの一般的なチャットbotは、トランシーバーで会話するように、一方が話している間はもう一方から話しかけることができなかった。全二重音声検知を実装することで、人間同士の会話のように、チャットbot自身が話している間に相手の発言を聞き、相手の話を予測したり、遮ったり、新しい話題を切り出したりすることができるようになる。同社では、会話の「間」を予測し、電話のように自然な会話が可能になるとしている。

 XiaoIceの開発責任者であるLi Zhou氏は、全二重音声検知を実装したことで、会話相手が次に何を言うかを予測するチャットbotの能力も向上したという。さらに、話しかけるときにしゃべるチャットbotの名前など、チャットbotにこれから話すというシグナルを与える「ウェイクアップワード」が不要になり、利用者が話すタイミングをチャットbotに教える必要がなくなったとしている。

 Microsoftでは、この全二重音声検知技術を、米国で利用されているチャットbot「Zo」や、日本向けのチャットbot「りんな」にも実装する予定だ。全二重音声検知を実装したりんなは、既にりんなライブ上の「りんなのテレフォンハッキング」の音声通話で体験できる。

 Microsoftは、今回開発した技術でチャットbotが、Windows 10に付属する「Cortana」のような生産性向上に特化したデジタルアシスタントとは異なり、利用者とより長く、対話性の強いやりとりを行えるように設計したと説明している。ユーモアのセンスがあり、雑談したり、ゲームをプレイしたり、個人的な情報を記憶して、まるで友人と会話しているように冗談を言うこともできるという。

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