Azureとオンプレミスを同期する「Azureファイル同期(Azure File Sync)」サービスMicrosoft Azure最新機能フォローアップ(56)(1/2 ページ)

2018年7月19日(米国時間)、AzureストレージのSMBファイル共有とオンプレミスのファイルサーバを同期する「Azureファイル同期(Azure File Sync)」サービスの一般提供が開始されました。

» 2018年07月30日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]
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Microsoft Azure最新機能フォローアップ

Azureファイル同期サービスの概要と料金

 「Azureファイル同期(Azure File Sync)」サービスは、オンプレミスのファイルサーバのボリューム/ディレクトリを、Azureストレージが提供するファイル共有サービスとの間で同期する新しいサービスです。

 Azureストレージのファイル共有サービスは、Azureストレージを共有フォルダとして構成し、標準で暗号化機能を備える「SMB(Server Message Block)3.x」プロトコルを使用して、インターネット経由でのアクセスを可能にします。

 Azureストレージのファイル共有サービスを利用すると、拡張性の高いクラウドのストレージを、Windowsの共有フォルダと全く同じように使用できます(画面1)。

画面1 画面1 Azureストレージのファイル共有サービスは、Windowsの共有フォルダと全く同じように(エクスプローラーにドライブマップするなど)、クラウドストレージを利用できる

 また、SMB 3.xのセキュリティの高いアクセスと、Azureストレージの冗長性(ローカル冗長またはジオ冗長)によるデータ保護を実現できます。詳しくは、本連載第9回で紹介しました。

 Azureファイル同期サービスは、1台以上のWindows Serverのボリューム/ディレクトリを、このAzureストレージのファイル共有に相互に同期するサービスです。ファイルサーバのデータを遠隔地に同期して、障害/災害対策にすることができます。また、Windows ServerをAzureストレージのファイル共有のエンドポイント(キャッシュ)として利用することで、SMB 3.x以外のプロトコル(SMB 2.x、NFS、HTTP、FTPなど)によるクライアントアクセスを可能にすることもできます。

 Azureファイル同期サービスをWindows Serverの「DFSレプリケーション(DFS-R)」の代わりとして利用することもできます。クラウドの「階層化オプション」を利用すると、使用頻度やアクセス頻度が低いファイルをAzureストレージに移動し、オンプレミスのストレージとクラウドストレージで階層化することができます。さらに、Azureのファイル共有は「Azure Backup」によるスケジュールバックアップに対応しているため、オンプレミスのデータをAzureに同期して、Azureに同期されたデータをAzure Backupで保護するという使い方もできます。

 Azureファイル同期サービスがサポートするWindows Serverは、Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter(GUI使用サーバー)と、Windows Server 2016 Standard/Datacenter(デスクトップエクスペリエンス)です。

 利用料金は、Azureファイルストレージの使用量に対する課金(2018年7月現在、月額6.72円/GB)に、Azureファイル同期サービスに登録したサーバ数に応じた課金(2018年7月現在、月額560円/サーバ)、それに送信データ転送にかかる課金(Azureデータセンターから出ていくデータに対する課金)を加えた料金になります。

 ただし、利用可能なリージョンが限定されていることに注意してください(2018年7月現在、東日本/西日本リージョンでは利用できません)。利用可能なリージョンについては、以下のドキュメントで確認できます。最新情報は英語サイト(以下のURLの「ja-jp」を「en-us」に置き換える)で確認してください。

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