ビズリーチは「プログラミング言語別年収ランキング2018」を発表した。1位は年収の中央値が600万円の「Go」、2位は「Scala」、3位は「Python」。スクリプト言語が多く、求人数ではRuby、Python、Cが際立っている。
ビズリーチは2018年8月7日、同社が運営する求人検索エンジン「スタンバイ」で、「プログラミング言語別年収ランキング2018」を発表した。
スタンバイに掲載されている約324万件の正社員求人情報を基に、6月30日時点で各プログラミング言語名が含まれる求人情報の提示年収の中央値を集計したもの。
1位は「Go」で提示年収の中央値が600万円、2位は「Scala」で同じく600万円、3位は「Python」で575.1万円だった。上位にはスクリプト言語が多く入っており、求人数ではRuby、Python、Cが際立っている。
1位のGoは、C言語のような静的型付けのコンパイル型言語でありながら、ガベージコレクションやメモリの安全性などを備えており、Dockerなどの基盤ソフトウェア開発の他、ツールの開発やWebサーバなどで利用されている。
Goは世界でも人気のある言語で、質問サイトStack Overflowの年次レポート(2018年)では、最も愛されるプログラミング言語、スクリプト言語、マークアップ言語の5位に入った。2017年はスタンバイで求人数が少なくランキングに入らなかったが、2018年の求人数は2017年に比べて1.9倍に増えた。ビズリーチでは今後も注目されるだろうと予想している。最大提示年収は1600万円、求人数は2202件だった。
2位のScalaは、オブジェクト指向言語と関数型言語の特徴を併せ持った言語。TwitterやLinkedInなどが利用していることで知られている。国内でもインターネット企業を中心に採用が増えていることに対して、扱える人材が少ないことから、ビズリーチでは提示年収が高い言語だとしている。最大提示年収は1300万円、求人数は1489件だった。
3位のPythonは、機械学習や統計分析向けのライブラリが充実していることなどから、研究機関の研究者やデータサイエンティストに利用されている。最近では機械学習や統計分析の活用が進んでおり、さらに需要が高まると見られる。ビズリーチによると、Pythonの求人数は2017年比で1.7倍に増加した。最大提示年収は1499万円、求人数は9344件だった。
4位は「Kotlin」で、年収の中央値は575万円、最大年収は1200万円だった。求人数は961件で、2017年比5.3倍に増加した。2017年5月にGoogleがAndroidアプリ開発の公式言語として追加すると発表したことでニーズが急上昇したためだと、ビズリーチは分析している。
同社によると、KotlinはWebサービスの開発でも採用事例が増えてきており、さらにJavaの既存ライブラリを利用できるため、Javaに代わる言語としてさらに需要が高まると見られる。
5位は「TypeScript」で、年収の中央値は575万円、最大年収は1200万円、求人数は667件。同言語はJavaScriptを拡張したもので、TypeScriptのソースコードはJavaScriptのコードに変換(トランスパイル)して実行される。
ビズリーチによると、TypeScriptは機能を分割しやすいため大規模アプリケーションのチーム開発に適しており、Webサービスのフロントエンドなどで広く利用されているという。2017年4月にGoogle社内の標準言語の1つとして採用されたことから導入する企業が増えており、求人数は2017年の3.2倍に増加した。
6位は「R」で、年収の中央値は574.8万円、最大年収は1000万円、求人数は220件。7位は「Ruby」で、年収の中央値は550万円、最大年収は1200万円。Rubyは求人数が1万1676人と10位以内では最も多かった。
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