Microsoft、手書きのUIスケッチをHTMLに変換する「Sketch2Code」を発表AIで手書きの図形と文字を認識

Microsoftは、手書きでスケッチしたUI画面をHTMLコードに自動変換するWebベースソリューション「Sketch2Code」を発表した。

» 2018年09月04日 13時30分 公開
[@IT]

 Microsoftは2018年8月30日(米国時間)、ホワイトボードなどに手書きでスケッチしたユーザーインタフェース(UI)画面を、AI(人工知能)を利用して、HTMLコードに変換するWebベースソリューション「Sketch2Code」を発表した。

 Microsoftによれば、UIのデザインプロセスには無駄が多いという。通常は、まずアイデアレベルのスケッチをホワイトボードに描き、数人で検討してから写真に撮影し、HTMLコードを書き下す。これでは手間ばかりかかり、すぐにアイデアを形にできない。

 画像認識技術とAIを組み合わせることで、手書きのスケッチを一気にHTMLに落とし込む。これがSketch2Codeの解決策だ。

手書きのスケッチを認識し、コードに置き換えるSketch2Code

 Sketch2Codeは、MicrosoftがKabel、Spike Techniquesと共同で開発した。Sketch2Codeを使って手書きのスケッチをHTMLに変換するプロセスは、5段階に分かれる。

  1. ユーザーがSketch2CodeのWebサイトで画像をアップロードする
  2. カスタムビジョンモデルが、画像内でどのようなHTML要素が使われているかを見積もり、位置を特定する
  3. 手書きテキスト認識サービスが、見積もった要素内のテキストを読み取る
  4. レイアウトアルゴリズムが、見積もった要素の境界ボックスの空間情報を使って、全ての要素を含むグリッド構造を生成する
  5. HTML生成エンジンがこれらの情報を使って、HTMLマークアップコードを生成する

 以上のプロセスを実現するためのアプリケーションワークフローは次のようになる。

Sketch2Codeのアプリケーションワークフロー

 Sketch2Codeは、次のような技術要素を使用している。

技術要素 機能
Microsoft Custom Vision Model さまざまな手書きのデザインスケッチ画像でトレーニングされており、一般的なHTML要素(テキストボックス、ボタン、画像など)に関連する情報をタグ付けできる
Microsoft Computer Vision Service デザイン要素内のテキストを特定する
Azure Blob Storage HTML生成プロセスの各ステップに関連する情報を保存する。保存情報には、元の画像、見積もった結果、レイアウト、グルーピング情報などが含まれる
Azure Function バックエンドエントリーポイントとして機能し、関連する全てのサービスとやりとりすることで、HTML生成プロセスを調整する
Azure Webサイト 新しいデザインをアップロードし、生成されたHTMLを表示できるユーザーインタフェースフロントエンド

 これらの技術要素を組み合わせたSketch2Codeのアーキテクチャは、次の通り。

Sketch2Codeのアーキテクチャ

 MicrosoftはSketch2Codeのコード、ソリューション開発プロセス、その他の詳細をGitHubで公開している。

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