クレカ不要で本物のAzureを試用できる、無料の学習サイト「Microsoft Learn」がオープンMicrosoft Azure最新機能フォローアップ(65)

2018年9月に開催された「Microsoft Ignite 2018」では、Microsoft Azureに関してさまざまな発表やリリースがありました。その中から1つ、Azureを含むMicrosoftの幾つかのクラウドサービスをオンラインで学習できる「Microsoft Learn」の開始が発表されました。

» 2018年11月07日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]
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Microsoft Azure最新機能フォローアップ

Azureの無料アカウントを使用せず、気軽に利用できるサンドボックス環境

 Microsoft Azureのサービスは「無料アカウント」を取得(サインアップ)することで、30日間、2万2500円のクレジット枠内で基本的に制限なく試用することができます(一部、Microsoft以外が提供するイメージやサービスは除きます)。なお、無料期間終了後は利用を停止するか、従量課金に移行するかを選択できますが、現在は無料期間終了後も一部のサービスについては1年間無料で利用できるものもあります。

 Azureの無料アカウントはクレジット枠内の上限があるため、無料期間内に課金されることはありません。しかし、無料アカウントを取得するには、有効であり、以前に無料アカウントで利用したことがないクレジットカードの登録が必須です。

 そのため、さまざまなサービスを試したい場合、十分な評価が終わらないうちに、無料期間が終了してしまうこともあります。

 2018年9月に開催された「Microsoft Ignite 2018」でリリースされた新しいオンライン学習サイト「Microsoft Learn」は、Azureの無料アカウントなどのサインアップ手続きなしで、ハンズオン環境としてMicrosoftの“本物のクラウドサービス”を利用できる、新しいタイプのオンライン学習サイトです(画面1)。

画面1 画面1 サンドボックス環境でMicrosoftのクラウドサービスを学習できる「Microsoft Learn」

 現在、Azureの利用を検討しているアプリ開発者、IT管理者、技術者と、PowerApps、PowerBI、Microsoft Flow、Dynamics 365を検討しているビジネスユーザーや技術者を対象として、日本語化された約100のコース(モジュール)が用意されており、ドキュメントで学びながら、本物のクラウドサービスに触れてスキルを高めることができるようになっています。

 例えば、Azureのハンズオン環境は、Microsoftアカウントでサインインし、サンドボックス環境をアクティブ化することで素早く準備でき、本物のAzure PortalやAzure Cloud Shellを実際に操作できます(画面2画面3画面4)。

画面2 画面2 Microsoftアカウントでサインインして、サンドボックス環境をアクティブ化する。既にサブスクリプションに関連付いたアカウントでも課金なしで利用できる
画面3 画面3 本物のAzure Portalにサインインして操作できる
画面4 画面4 コマンドラインは、Microsoft Learnのサイトに組み込まれたAzure Cloud Shellから操作可能

 1つのコース(モジュール)を終了する際、知識レベルの確認(数問の問題)に解答し、サンドボックス環境をクリーンアップして終了するとポイントが付与され、学習がどこまで進んだか把握できるようにもなっています。

 最初からAzureの無料アカウントにサインアップして、無料期間を気にしながら評価するよりも、Microsoft Learnである程度学んでから、無料アカウントにサインアップして内容の濃い評価を行い、その後、従量課金制に移行するのが「ベストなAzureの始め方」になるのではないでしょうか。

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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