Microsoftは開発者向けカンファレンス「Microsoft Connect(); 2018」で、各種開発ツールの正式版や新バージョンの他、オープンソースの新展開や新しいサーバレスコンピューティング技術などを発表した。
Microsoftは2018年12月4日(米国時間)、開発者向けカンファレンス「Microsoft Connect(); 2018」で、各種開発ツールの正式版や新バージョン、オープンソースの取り組みの新展開、新しいサーバレスコンピューティング技術などを発表した。
発表内容の概要は以下の通り。
Microsoftは、機械学習モデルの作成やトレーニング、デプロイを効率的に行える「Azure Machine Learningサービス」の正式提供を開始した。Azure Machine Learningを使用すると、モデルの選択やチューニングの自動化、機械学習に対応したDevOpsによる生産性向上、ワンクリックでのモデルのデプロイが可能になる。
Azure Machine Learningでは、特定ツールに依存しないPython SDKが用意されており、任意のPython環境でお気に入りのオープンソースフレームワークとともに利用できる。
「Visual Studio 2019 Preview」と「Visual Studio 2019 for Mac Preview」のダウンロード配布を開始した。これらのプレビュー版では、人工知能(AI)を利用したコード作成支援ツール「IntelliCode」など、さまざまな機能の改良や、リファクタリング機能の拡充、デバッグ機能の高度化が施されており、開発者はコード作成に集中できる。
Live Shareや新しいGitHubプルリクエスト機能を使ったコラボレーションも可能だ。さらに、Microsoft Azureを使用したコンテナによるモダナイゼーションや、サーバレス技術によるクラウドネイティブソリューション構築に取り組む開発者へのサポートも強化した。
「.NET Core 3 Preview」を公開した。.NET Core 3は、アプリケーションフレームワークの「Windows Presentation Foundation(WPF)」や「Windows Forms」を新たにサポートする。
これによって、EXEファイルによる柔軟なデプロイや、パフォーマンスの向上が可能になる他、「XAML islands」によってWindows FormsやWPFアプリケーションでもネイティブUWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)コントロールが使えるようになる。サーバサイドでは、ASP.NET Coreで「Razor Components」によってコンポーザブルUIが利用できるようになり、.NETで初めてフルスタックのWeb開発が可能になる。
コンテナアプリケーションには多くの場合、コンテナやデータベース、仮想マシンなど、さまざまなコンポーネントが含まれる。このため、さまざまな環境でアプリケーションを簡単にパッケージ化し、メンテナンスできる方法が必要になっている。
Microsoftは今回、オープンソースの新しいパッケージフォーマット仕様「Cloud Native Application Bundles(CNAB)」を発表した。CNABは、Dockerとの密接な協力によって開発され、HashiCorpやBitnamiなどがサポートしている。CNABにより、1つのインストールファイルを使った分散アプリケーションの管理の他、さまざまな環境におけるアプリケーションリソースの確実なプロビジョニングや、複数のツールセットを使わずに済む容易なアプリケーションライフサイクル管理が可能になる。
Microsoftは1年前に「Virtual Kubelet(VK)」を発表した。VKは、Kubernetes APIを拡張し、サーバレス環境やエッジ環境などでコンテナをデプロイ、管理するためのプラガブルアーキテクチャを提供する。これまでに多数のVKプロバイダーが追加され、「Azure Container Instances」「AWS Fargate」「Alibaba ECI」「Azure IoT Edge」といったサービスとの統合を実現した。
Microsoftは今回、Cloud Native Computing Foundation(CNCF)へのVirtual Kubeletプロジェクトの寄贈を発表した。CNCF内での協力により、Kubernetesによるオーケストレーションと他の環境の統合促進に向けて、開発者の参加やイノベーションを後押しするとしている。
Microsoftは.NETコミュニティーからの強い要望に応え、Windows Presentation Foundation(WPF)、Windows Forms、「WinUI XAML Library(WinUI)」をオープンソース化した。
オープンソースデータベース「MariaDB」のコミュニティーエディションに対して、エンタープライズ対応のフルマネージドサービス「Azure Database for MariaDB」の正式提供を開始した。このサービスは、高い可用性や弾力的なスケーリングを柔軟な料金で提供する。
Microsoftは、オープンソースのVirtual Kubelet技術をベースにした「Azure Kubernetes Service(AKS)」の仮想ノード機能について、パブリックプレビュー版を発表した。サーバレスKubernetesを実現する今回の新機能により、追加のコンピュートキャパシティーを数秒で柔軟にプロビジョニングできる。Azureポータルで数回クリックすれば、AKS環境でこの仮想ノード機能を有効にし、コンピュートリソース管理を気にすることなく、コンテナの利用による柔軟性やポータビリティを享受できる。
イベントドリブンのサーバレスアプリケーションを構築できる「Azure Functionsサービス」では、これまで.NET、JavaScript、Javaといった言語を使用できた。今回新たにPythonのサポートを追加した。
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