2018年ももう終わりが近づいてきました。Windowsを使用してきたこの1年を振り返ってみると、Windows Updateに始まり、Windows Updateに振り回された年だったような気がします。2018年の最後も、Windows Updateで締めくくりたいと思います。
本連載の1年を振り返ってみると、実に6割(今回の記事を含め28回中17回)は「Windows Update」に関連する話題でした。特に、Windows 10の「品質更新プログラム」や「機能更新プログラム」の問題(更新プログラムが原因の別のトラブル、意図せぬアップグレードなど)、Windows Updateの実行自身に関係するトラブル(終わらない、時間がかかるなど)、分かりにくい更新プログラムやサポートポリシーの解説などに多くの回を割いてきました。この1年に限って言えば、連載タイトルは「山市良のうぃんどうず日記」ではなく、「山市良のうぃんどうずあっぷでーと日記」の方がよかったかもしれません。
Windows 10の品質更新プログラムを含め、Windowsのセキュリティ更新プログラムとセキュリティ以外の更新プログラムに関しては、2018年年明け早々の「プロセッサの脆弱(ぜいじゃく)性に関係するセキュリティ更新の緊急配布」(第117回、第118回)、3〜5月に段階的に行われた「リモートデスクトップ接続に関係するセキュリティ強化」(第127回)が、多くのユーザーに少なからず影響したと思います。
本連載では取り上げませんでしたが、2018年1月のOfficeの更新プログラムで、脆弱性を理由に「数式エディターv3」が予告なく、機能ごと削除されるということもありました。
Windows 10の“事実上のアップグレードインストール”である「機能更新プログラム」については、筆者が2月に実際に経験した、意図しない延期設定を無視した半強制的なアップグレードには少し怒りさえ覚えました(第121回)。
10月にリリースされ、11月に再リリースされた「Windows 10 October 2018 Update(バージョン1809)」の騒動は、まだ記憶に新しいと思います。記憶に新しいというよりも、この騒動は“現在進行形”であり、Windows Updateを通じてこの機能更新プログラムを既に受け取った人はまだごく少数のようです。後4カ月もすれば次のバージョン(「19H1」と呼ばれるバージョン1903、バージョン番号は予定、時期は未定)がリリースされると思うと、「サービスとしてのWindows(Windows as a Service:WaaS)」はこの先、大丈夫なのか不安になります。
既にWindows 10 バージョン1809を利用しているユーザーの中には、12月初めにWindows Updateの「更新プログラムのチェック」をクリックして検出された更新プログラム、あるいはその時期に自動更新でインストールされた更新プログラムに、何か気が付いたことはないでしょうか。Windows 10 バージョン1809に対しては、12月5日(米国時間)に以下の3つの品質更新プログラムがリリースされました(画面1)。
多くの方が、次の2つの点に気が付いたと思います。一つは、12月にリリースされたにもかかわらず「2018-11」という名前を冠した更新プログラムが2つあること。そしてもう一つは、「Preview of Cumulative Update for .NET Framework」という見慣れない名前の更新プログラムが提供されたことです。
1つ目の「KB4469342」はOSビルド17763.168に更新する累積更新プログラム、2つ目の「KB4471331」はAdobe Flash Playerの緊急の脆弱性に対応した当時の最新バージョン32.0.0.101、3つ目の「KB4469041」はWindows 10 バージョン1809の.NET Frameworkの累積更新プログラムです。
Windows 10 バージョン1803以前は、.NET Frameworkの更新はWindows 10の累積更新プログラムに含まれていましたが、Windows 10 バージョン1809からは.NET Frameworkの更新プログラムとして分離されました。その初めての更新プログラムです。
Windows 10にWindows Updateで提供される更新プログラムの種類やタイミング、Windows 10 バージョン1809からの.NET Frameworkの更新の分離については、第139回で説明を試みました。
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