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Googleは2019年2月20日(米国時間)、クラウドコンピューティングが仕事やビジネス、市場を今後どのように変革していくかを展望したレポート「The Future of Cloud Computing」(クラウドコンピューティングの未来)を公開した。
GoogleのGoogle Cloud部門テクニカルインフラストラクチャ担当シニアバイスプレジデント、ウルス・ヘルツル氏はレポートの序文で、レポートについて次のように説明している。
「ユーザーによる洞察や、当社があらゆる規模の企業と行ってきた対話、各種調査の結果、Google社内の知見を結集し、総合的な視点から、現在の状況に加え、価値、イノベーション、競争がどこに向かっているのかを解説した」
さらに同氏は、レポートをまとめた理由として、ビジネスリーダーやITリーダーがクラウドコンピューティングによって、変化するビジネスの世界で業務を展開するのを支援するためだと述べた。レポートの目的として掲げているのは、「企業が既存環境をベースに、クラウドコンピューティングのメリットを活用して未来へと前進し、成功を収めるための戦略を策定するのに必要な洞察を提供すること」だ。
2024年にはマルチクラウド環境を利用する企業が90%に達する(出典:The Future of Cloud Computing)
レポートの構成と、各パートで紹介されている調査結果の概要を以下に示す。
- クラウドの成長
2024年までにほとんどの企業は、オンプレミス、オフプレミス、パブリッククラウド、プライベートクラウドを組み合わせたマルチクラウド環境を利用するようになる。2018年に1600億ドルだった世界パブリッククラウドサービス支出は、2020年には2770億ドルに増加する見通し。
- 企業はパブリッククラウドを急ピッチで導入
世界の大規模中規模企業のビジネスとITの意思決定者の77%は2029年までに、クラウドを使ってニーズの大部分に対応する計画を立案している。
- クラウドの浸透
世界の大規模中規模企業のビジネスとITの意思決定者の64%は2029年までに、リモートリージョンを含む全ての人がコンピューティングを利用できるようになると考えている。
- 成長のけん引役としてのクラウド
世界の大規模中規模企業のビジネスとITの意思決定者の87%は2029年までに、クラウドコンピューティングが売上成長の重要なけん引役になると予想
- エッジコンピューティングが主流に
世界の大規模中規模企業の3分の1が、クラウドオペレーションの大部分でエッジコンピューティングを利用している。2029年までに、クラウドオペレーションの大部分でエッジコンピューティングを利用する世界の大規模中規模企業が66%増える。世界の大規模中規模企業の83%が、2029年までにエッジコンピューティングまたはIoTが、全ての産業に影響するようになると考えている。
- 将来にわたって企業で使用されるコンテナ
エンタープライズ市場では、オンプレミスとクラウドでワークロードの3分の1がコンテナ化されている。2021年までにパブリッククラウドでは、コンテナ化されたワークロードが46%増加する見通し。
- より迅速なフィードバック、より速いペースでのリリース、より多くのイノベーション
意思決定者の60%が、2029年までにコードが毎週または毎日アップデートされるようになると予想。回答者の86%が、新しいソフトウェアを迅速に開発、リリースすることは、自社にとって重要だと回答。
- 顧客の信頼を築く方法(Google調査)
以下の3つの選択肢を「非常に重要」「ある程度重要」と考える担当者の割合を示した。
- 信頼できるコンピューティングサービスの構築:85%
- セキュリティ投資:84%
- 透明なコミュニケーションの実現:82%
- ステップ1:自社に適したクラウドモデルを見つける
- ステップ2:オープンプラットフォームをベースに構築を行う
- ステップ3:ITセキュリティを再考する
- ステップ4:変革をリードする
- オープンソースソフトウェア(OSS)が定番化
企業の94%が2029年までにOSSを使用する計画。企業の41%が2029年までに、ソフトウェアプラットフォームの大部分でOSSを使用する計画。
- セキュリティ対策をスピードアップさせる自動化
意思決定者の70%が、10年後にはセキュリティオペレーションの大部分が自動化されると予想。
- 前倒しされるセキュリティ対策
意思決定者の72%が2029年までに、より多くのセキュリティ対策が開発前に実装されるようになると予想。
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