Avastの調査によると、日本の家庭にあるスマート機器は、認証に関して世界で最も脆弱な状態にあった。また、全世界にある約1100万台のルーターの内、57%に脆弱な認証情報またはソフトウェアの脆弱性が見つかった。
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Avast Software Japanは2019年2月26日、家庭で稼働するスマート機器の脆弱(ぜいじゃく)性に関するレポートを発表した。これは、同社のセキュリティ対策ソフトが備える機能の1つ「Wi-Fi Inspector」のデータを分析したもの。ユーザーが同機能を実行したときに得られたデータを利用した。
今回のAvastの調査によると、日本の約23万回線のホームネットワークをスキャンした結果、家庭で多くの脆弱なスマート機器が稼働していることが分かった。5台以上のスマート機器を所有している日本の家庭は38%で、そのうち脆弱なネットワーク機器が1台以上存在する家庭は29%だった。
また、日本の家庭にあるスマート機器は、認証に関して世界で最も脆弱な状態であることも分かった。家庭にあるスマート機器のうち、パスワードなどの認証情報が脆弱だったり、二要素認証を使用していなかったりする割合は、世界平均の69%に対して、日本は世界で最も高い84%だった。
さらに、脆弱な機器の16%にはセキュリティパッチが適用されていなかった。全世界にある約1100万台のルーターに限ってみると、57%に脆弱な認証情報またはソフトウェアの脆弱性が見つかったという。
Avastでコンシューマー部門のプレジデントを務めるオンドレイ・ヴルチェク氏は、「人々はスマートTVでお気に入りのNetflixシリーズを見たり、ベビーモニターをホームネットワークに接続したりしているが、こうしたデバイスのセキュリティを維持する方法はあまり知られていない。悪意あるハッカーは脆弱な機器が1台でもあれば、ネットワークに侵入して他のデバイスにアクセスし、保存されている情報を入手できる。家にある全ての機器に対して、強力なパスワードや二要素認証を設定したり、パッチやファームウェアのアップデートを必ず適用したりするなどで、セキュリティは大幅に向上する」と述べている。
なお、今回のAvastの調査で判明した脆弱な機器のワースト5は、以下の通り。
日本では、プリンタ、ネットワーク機器、メディアストリーミング端末、防犯カメラ、NAS(Network Attached Storage)。全世界では、プリンタ、ネットワーク機器、防犯カメラ、NAS、メディアストリーミング端末だった。このうちプリンタは、米国、カナダ、オーストラリア、シンガポール、韓国、日本でワースト1位だった。
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