Azureとの連携がさらに強化された「Windows Admin Center 1904」Microsoft Azure最新機能フォローアップ(82)

半年ごとに新バージョンがリリースされる「Windows Admin Center」の最新バージョン「1904」では、Azureのサービスとの統合がさらに強化されました。新しい「Azureハイブリッドサービス」ツールは、Azureとの統合を始めるハブとして機能します。

» 2019年06月14日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]
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バージョン1904の注目の新機能は「Azureハイブリッドサービス」ツール

 HTML5ベースのWindows Server管理アプリ「Windows Admin Center」の最新メジャーバージョン「1904(ビルド1.2.1904.11004)」が2019年4月半ばにリリースされました。6月初めにはメンテナンス(機能改善)のためのマイナーバージョン「1904.1(ビルド1.2.1905.16003)」がリリースされています。

 本連載で過去に取り上げたように、Windows Admin Centerは半年に1回、メジャーバージョンがリリースされます。今回のバージョン1904は、2018年4月半ばにリリースされたバージョン1804、2019年9月後半にリリースされたバージョン1809に続く、3つ目のメジャーバージョンになります。

 Windows Admin Centerは、Microsoft Azureと統合されたハイブリッド管理環境を見据えて開発され、バージョン1809では統合が大きく進みました。具体的には、Azure Active Directory(Azure AD)のIDによるアクセス制御、多要素認証のサポート、Azure Backup、Azure Site Recovery、Azure Update Managementの各サービスとの連携、ポイント対サイトVPN接続の簡易セットアップ機能(Azureネットワークアダプター)などです。

 バージョン1904ではAzure Monitor、Azure File Sync(画面1)、Azure Security Center(近日追加予定)といった新しいサービスとの連携機能が追加されている他、Azure Backupのリアルタイムのジョブ監視(画面2)、記憶域の移行サービスのAzureとの直接連携機能など、既存の拡張機能の改善が施されています。

画面1 画面1 Azure File Syncを利用すると、オンプレミスのWindows ServerのディレクトリとAzureストレージアカウントのFileサービス(Azureファイル共有)を双方向に同期するように、簡単にセットアップできる
画面2 画面2 Azure Backupは、バックアップスケジュールのジョブの実行状態をリアルタイムに参照できるようになった

 Azureの各種サービスは、Windows Admin Centerを利用しなくても、オンプレミスのWindows Serverや仮想化基盤に適切にセットアップすることで利用可能です。Windows Admin Centerを利用すると、リソースグループやリソースの作成などのセットアップ作業が大幅に簡素化されます。

 さらに、バージョン1904では、Windows Admin Centerのコンソールに新たに「Azureハイブリッドサービス」ツールが追加されました。Azureハイブリッドサービスは、Windows Admin CenterのゲートウェイをAzureに登録するAzureインテグレーションのセットアップを開始し、利用可能なAzureのサービスを探してセットアップを開始するためのハブとして機能します(画面3)。

画面3 画面3 Azureハイブリッドサービスは、Azureインテグレーションのセットアップを開始し、利用可能なAzureのサービスを探してセットアップを開始できる起点となる

注:旧バージョンのWindows Admin Centerは30日の猶予後にサポート終了

 旧バージョンのWindows Admin Centerを利用中の場合は、すぐにバージョン1904(1904.1以降)にアップグレードしてください。Windows Admin Centerは常に最新のメジャーバージョンのみがサポートされます。

 旧バージョンは30日の猶予期間後にサポートされなくなります。Windows Admin Center 1904は2019年4月半ばにリリースされたため、バージョン1809(1809、1809.5、1809.5.1)のサポートは5月半ばに既に終了しました。

 新しいバージョンのWindows Admin Centerは、最新の「AzureリソースマネージャーAPI」を利用しているため、旧バージョンをサポート期間中以降も使い続けた場合、統合機能の一部は正常に機能しなくなる可能性があります。

 Windows UpdateでMicrosoft Updateを使用するように構成されている場合、つまりWindows Updateの「更新プログラムのオプション」で「Windowsの更新時に他のMicrosoft製品の更新プログラムも入手します」が有効の場合は、新しいメジャーバージョンおよびマイナーバージョン(1904.1など、メジャーバージョンに対するメンテナンス更新)はWindows Updateを通じて配布され、最新バージョンに更新されます。

 Microsoft Updateを使用するように構成されていない場合、新しいバージョンが利用可能であることは、Windows Admin Centerアプリのトップやバージョン情報に通知されるので、サポートされなくなる前に手動で更新してください(画面4)。

画面4 画面4 旧バージョンのWindows Admin Centerを利用している場合は、新バージョンがリリースされて30日以内にアップグレードすること

 Windows Admin Centerのリリース状況については、以下のサイトで確認できます。

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(2018/7/1)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。


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