IDCによれば、2025年にはIoTデバイスの数が416億台に達するという。これらのデバイスは79.4ゼタバイト(ZB)のデータを生成する見通しだ。最も多くのデータを生み出すのはビデオ監視用IoTデバイスだが、成長が著しいのは他の種類のデバイスだ。
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IDCは2019年6月18日(米国時間)、2025年にはIoTデバイスの数が416億台に達し、これらのデバイスが年間79.4ゼタバイト(ZB、1TBの約800億倍)のデータを生成するとの見通しを発表した。IoTデバイスには、インターネットに接続されたマシンやセンサー、カメラなどが含まれる。
IDCの予想によれば、IoTデバイスは、2018〜2025年に年平均28.7%のペースで増加する。IoTデバイスが生成するデータの大部分を占めるのが、ビデオ監視アプリケーションからのデータだ。だが、さまざまな産業分野や医療関連のデバイスからのデータも、ますます増えていくという。
IDCのIoT、5G、モビリティー担当グループバイスプレジデント、キャリー・マギリブレイ氏は次のように語る。
「市場の成熟化が進み、IoTは“モノ”、人々、プロセスが行う情報のやりとりを支える基盤として、ますます重要な役割を果たすようになっている。多種多様なIoTデバイスが生成する膨大なデータ量を理解することは、企業や組織が、成長を続けるデータドリブンのIoT市場に対応して、高いスケーラビリティを備えるソリューションを構築するのに役立つ」
各種の産業用途でIoTの導入が進むだけでなく、スマートホームなどの家庭向けデバイスや、個人向けのウェアラブルデバイスも、近いうちに広く普及するとIDCは予想している。
だが、長期的な傾向は違う。治安への懸念やカメラコストの低下、5Gなどの広帯域ネットワークの普及、高密度な配置などを背景に、ビデオ監視の導入が急速に進む見通しだ。さらにまだ普及の初期段階にあるドローンも、遠隔地や危険な場所での撮影に威力を発揮する可能性があり、カメラによるデータ生成の増大に大きく貢献しそうだ。
全IoTデバイスが生成するデータに占めるビデオ監視カメラの割合は大きい。だが、IDCによれば、2018〜2025年にデータの生成量が最も急速に増えるのは、産業と自動車分野で、年平均増加率は60%だという。
これは、データを継続的に取得するビデオ監視カメラ以外の“モノ”が増えるとともに、高度なセンサーがより多く、よりリッチな指標データ(機械稼働データ)を取得するようになるからだ。こうしたリッチデータには、音声や画像、映像が含まれる。
分析やAIによって、取得されたデータからさらにデータを生成する分野では、デバイス1台当たりの生成データが、ビデオ監視カメラ1台当たりの生成データを上回るペースで増加するという。
「IoTメタデータ」が増えていることにも注目すべきだと、IDCは指摘する。
IoTメタデータは基本的に、IoTデータファイルに関する全てのデータであり、管理、利用すべきデータの一種だ。元になったIoTデータよりも小さなデータサイズである場合が多いものの、インテリジェントシステムへの情報提供や、パーソナライズの実行、促進、一見ランダムなシナリオやデータセットへのコンテキストの付加などに利用できると、IDCは説明している。
IoTメタデータは構造化されていないため、「MongoDB」のようなNoSQLデータベースに取り込むべきだという。こうすれば、AIなどを用いたIoTメタデータの分析に使いやすくなるからだ。
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