Microsoftは、ファイル共有サービス「Azure Files」で高いパフォーマンスレベルが得られる「Premium」オプションの一般提供を開始した。なお、料金体系は「Standard」オプションとは異なる。
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Microsoftは2019年6月26日(米国時間)、「Azure Files」サービスで高いパフォーマンスレベルが得られる「Premium」オプションの一般提供を開始したと発表した。
Azure Filesでは、業界標準のSMB(Server Message Block)プロトコルでアクセスできるフルマネージドのファイル共有をする。オンプレミスのファイルサーバの置き換えや補完、アプリケーションの“リフトアンドシフト”、クラウド開発の簡略化などに利用できる。
Azure Filesには、ファイル共有のパフォーマンスレベルとして「Standard」とPremiumが用意されており、これまでPremiumはプレビュー段階だった。両者の特徴は以下の通り。
MicrosoftはPremiumオプションのメリットを次のように説明した。
Premiumオプションではパフォーマンスをあらかじめ定義できる。Premiumファイル共有のパフォーマンスは、ワークロードのパフォーマンス特性に応じて瞬時にスケールアップ、スケールダウンする。Premiumファイル共有の容量は最大100TiB(約110TB)、IOPSは最大10万までスケールアップし、ターゲットトータルスループットは10GiB(約10.7GB)/秒となっている。
Premiumファイル共有では、パフォーマンスが動的にチューニングされるだけでなく、IOPSのピーク負荷時間が短く、大きく変動するワークロードに対応して、バースト機能も提供される。
Azure FilesのPremiumオプションは現在、Azureの世界19のリージョンで利用でき、Microsoftは、利用可能なリージョンを順次増やしていく。2019年6月27日時点では、日本リージョン(東日本、西日本)については、2019年第2四半期にGA(General Availability)を予定している。
MicrosoftはPremiumオプションについて、高パフォーマンスで可用性の高いファイル共有を実現する、最も費用対効果の高い方法だと述べており、料金はシンプルで、予測可能だとしている。
Premiumオプションでは、使用したストレージ容量ではなく、プロビジョニングされたストレージの容量に応じて課金され、GiB単価に基づく料金を支払う。手数料やスループット、バーストに対する追加料金はないという。
Premiumオプションでは、Azure Filesの全ての機能を利用できる。その中には、スナップショット/リストアや「Azure Kubernetes Service」と「Azure Backup」の統合、モニタリング、「Azure File Sync」によるハイブリッドサポート、Azureポータル、PowerShell/CLI/Cloud Shell、「AzCopy」「Azure Storage Explorer」などが含まれる。
また、開発者は既存のコードやスキルを利用して、使い慣れたAzure StorageクライアントライブラリやAzure Files REST APIを用いてアプリケーションを移行できるという。
なお、Premiumの一般公開と同時に、Standardのファイル共有の機能強化をプレビュー版として公開した。最大100TiBのファイル共有が可能となる。
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