Pingよりも高機能! ネットワーク管理者のための「PsPing」活用法山市良のうぃんどうず日記(166)

「Ping」コマンドは、TCP/IPネットワークの管理者には欠かせない、プラットフォームを問わずに利用できるユーティリティーです。今回は、Pingコマンドよりも高度なユーティリティーであるWindows Sysinternalsの「PsPing」について、応用的な活用法を紹介します。

» 2019年11月20日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]

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PsPingとPingとはこんなに違う!

 TCP/IPネットワークの管理者なら自明のことだと思いますが、「Ping」コマンドはICMP(Internet Control Message Protocol)エコー要求/応答を利用して、ネットワーク上のホストとの接続性やネットワークレイテンシ(ラウンドトリップ、往復時間)をテストするツールです。

 Microsoftのフリーのユーティリティー集である「Windows Sysinternals」には、Pingコマンドに名前も機能もよく似た「PsPing.exe」(以下、PsPing)ツールがあります。Windows標準の「Ping.exe」コマンドは1ミリ秒の精度でしか計測できませんが、PsPingはその100倍の0.01ミリ秒の精度で応答時間やレイテンシを計測することができます。

 しかし、PsPingはPingの単なる高精度版ではありません。第1に、PsPingは特定のTCPポートに対する接続要求の送信と応答時間の計測を行う「TCP Ping」機能も備えています(画面1)。第2に、PsPingは指定したTCPポートをバインドしてサーバとして機能することができ、その接続を介してTCP/UDPのレイテンシテスト、帯域幅テストを実行することもできます(画面2)。

画面1 画面1 Windows標準のPing.exeは1ミリ秒の精度しかないが(画面手前)、Windows SysinternalsのPsPingは0.01ミリ秒の精度を持ち、ICMPだけでなく、TCPの接続性の確認や応答時間を計測することもできる(画面奥)
画面2 画面2 TCP/UDPのレイテンシテストおよび帯域幅テスト用に、PsPingにはサーバモードが用意されている。各テストの使用法については、「psping -? l」および「psping -? b」のヘルプを参照

 PsPingのTCP/UDPのレイテンシテストおよび帯域幅テストについては、今回は説明しません。今回は、TCP/UDPのレイテンシテストおよび帯域幅テストに使える、サーバモードのPsPingを応用して、TCPサーバアプリケーションに対する接続を許可するファイアウォールのルールをテストするツールとして利用してみます。

 なお、先に指摘しておきますが、UDPのレイテンシテストおよび帯域幅テストは、サーバモードのPsPingのTCPポートに接続した上で、サーバからの指示でUDPポートに対する送信(または「-r」によるサーバからの受信)の通信を行うため、TCPとUDPの両方の送受信許可が必要になります。

PsPingサーバモードの簡単な使用法

 PsPingはIPv4とIPv6の両方をサポートしていますが、IPv4アドレスの特定のポートで動作させるには、次のようなコマンドラインを実行します。

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