インセンティブを求めて異業種に転職した「辞めジニア」の告白後悔はしていない(2/3 ページ)

» 2019年12月09日 05時00分 公開

「自分のインセンティブ」はどこにある?

 しかし、そこは根が明るく頑張り屋の吉田さん。めげることなく、パッケージ導入の仕事に全力で取り組んでいった。

 「おかげで、担当するパッケージシステムはもちろんですが、会計基準、PL(損益計算書)/BS(貸借対照表)、簿記、連結決算など企業会計に関する幅広い知識と、Excelに関するかなりのスキルが身に付きました(笑)」

 特に連結決算については会計士が扱うような内容も出てくるが、書籍やユーザー向け研修に参加して、苦労しながら知識を養っていった。

 吉田さんが今でも印象に残っているのは、ある大企業へのシステム導入プロジェクトだという。それまでは1プロジェクト5〜6人のエンジニアで工期も数カ月という規模のものが多かったが、同プロジェクトは3年で80人近いエンジニアが取り組む大規模なものだった。

 「グループ会社の多い特異な業界で、連結決算対象の会社も多く、導入にかかる準備やカスタマイズ要件がふんだんにある、ハードなプロジェクトでした」

 吉田さんが転職を考えるようになったのは、次のプロジェクトに移ってからのこと。入社5年目を迎えたころだった。苛酷(かこく)なプロジェクトから外れて考える余裕ができた彼女は、自分の価値観と今やっていることとのギャップに気が付いてしまったのだ。

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