焼きそば、低スペックPC、家賃補助カット――チームメンバーの退職エントリーが「はてブ」や「Twitter」でバズるの、つらいよね。
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エンジニアが納得のいくキャリアを自律的にドライブするには、どのように考え、どのように行動すればいいのか。元プログラマー、現Web系企業人事担当者の「きのこる先生」が「かろやかに」に指南する本連載。
前回はエンジニアが年収を上げる方法を解説しました。今回のテーマは「エンジニアの退職」です。
採用難に苦しむIT企業でマネジャーをやっている皆さん、こんにちは! プログラマーにして採用担当、菌類のくせに人類を採用、育成している「きのこる先生」です。
普段はIT企業で働くエンジニアの皆さんに転職やキャリアについてお話していますが、今回は担当編集からのリクエストで、そんなエンジニアたちのマネジャーとして日々奮闘している皆さんに向けてのお話です。
いきなり胸が苦しくなるような見出しですが、今回のテーマは「エンジニアの退職」です。
皆さんはマネジメント対象であるエンジニアから「辞めます」と言われたことはありますか? 菌類は、あります。それはもう、数え上げたらキリがないほど……。
どんな理由であっても、チームのエンジニアが辞めるのはつらいものです。目の前の仕事には影響が出るし、残されたチームメンバーも何だかざわついてしまいます。「今までのマネジメントは間違っていたのか?」と自分を責めることもあるかもしれません。その上、退職エントリーを書かれたり、それが残された方にとってはビミョーな内容だったり、ましてやそれがバズったときの気持ちったら……。
心中お察しいたします。つらいよね。
残念ながらエンジニアが「辞めます」と言い出したら、ほとんどの場合気持ちを翻させることはできません。マネジャーに言い出す前に、辞める/辞めないは存分に悩み、辞めると決意し、大抵次の行き先まで決めています。さすがエンジニア、決断力と行動力が備わっている、ということなのでしょう。
ですから、ここではエンジニアが「辞めたい」と言い出す前に、マネジャーとしてどんなことができるかを考えてみましょう。
待遇、仕事内容、人間関係――全てがパーフェクトな仕事環境はありません(あったら紹介してください、見学に行きます)。日々仕事をしていると、ちょっとした不満が積もっていくのは避けられないことです。
不満は、本人が不満と認識している以外の形でも蓄積されていきます。意識の奥で何となく積もっていく「辞めたい気持ち」にある日何らかのインパクトが与えられると、そこでフッと「ああ辞めるか」という気持ちになるのではないだろうか。菌類はそう考えています。
きっかけになるインパクトは、よくある「昇給が期待外れだった」「家賃補助がなくなる」「意に染まない異動をさせられた」などの分かりやすいものばかりとは限りません。ほんのささいなことだったり、場合によってはプロジェクトの完了や昇進など、ポジティブな出来事だったりもします。
退職者に辞める理由を聞いてみると、きっかけとなった「退職を決意したインパクト」を挙げることが多いようです。しかし、蓄積された「辞めたい気持ち」と「インパクト」に関連性はない場合が多く、真の理由は(もしかしたら本人にも)分からないものなのです。
一方、「辞めたい」という相談を受けた場合はラッキーです。
「辞めたい気持ち」は自覚できるほど蓄積されているけれど、「インパクト」はまだ発生していない、という状態であることが予想されます。ですから、ていねいに話を聞き、インパクトが発生する前に「辞めたい気持ち」を取り除く手を打ちましょう。
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