大企業の早期希望退職者の募集が盛んです。でも、その早期退職、本当に大丈夫? それしか手はないの?
大企業の早期希望退職者の募集が盛んです。
東京商工リサーチが2019年12月6日に発表した「2019年(1-11月)上場企業『早期・希望退職』実施状況」によれば、2019年1〜11月に早期、希望退職者を募集した上場企業は延べ36社、対象人数は1万1351人に達し、2014年以降の最多を更新したといいます。
これまでに早期希望退職者を募集してきたのは「業績が低迷している企業」でした。しかし前出の調査によれば、近年は「足元の業績が堅調な企業」が早期希望退職者を募集しているといいます。経営体力があるうちに人員構成や給与配分を見直す企業が増えているのでしょう。
ましてや、2020年に開催されるオリンピックの後は「不景気になるかも?」とウワサされる中(少なからず、公共系の仕事は減るでしょう)、人ごとではいられないエンジニアも多いはずです。
早期希望退職の対象といえば、一般的には40代以上のベテランが中心です。アラフィフの私は、サラリーマンだったらまさにターゲットの世代です。「もし、自分だったらどうするだろう?」と、自分ごととして考えてしまいます。
なぜ、自分ごととして考えてしまうのか。それは、私が「若くして退職&起業した経験があるから」です。
早期希望退職をした後は、転職する人もいれば、起業する人もいるでしょう。私は後者でした。起業してみてしみじみ感じたのは、「社会から認められるようになるのは、楽ではなかった」ことです。
若い時ならいざ知らず、40代を超えた転職にはある程度のキャリアを求められますし、起業なら個人の信用が必要です。私が社会から認知、信用され、仕事を依頼されるようになるまでは、決して楽な道のりではありませんでした。お金にも苦労しました。
ただ、その「楽ではない」経験を30代のうちから経験できたのはラッキーでした。なぜなら、仕事の面でもお金の面でも、ツラい時期を乗り越える気力と体力があったからです。子どもが小さかったのも助かりました。
けれども早期希望退職世代の起業や転職は、その苦労をアラフィフの私に「やれ」と言われるようなもの。だとすれば、「今からだとちょっとツラいかも」と思うのです。若いころと比べて体の変化がありますし、子どもにもお金がかかりますし。
そう思うと、退職金が上乗せされるからといって安易に早期希望退職するのは「ちょっと怖いな」と思うし、それを勧める企業には「もう少し他のやり方はないの?」とも思うのです。
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