Microsoftが「折り畳み型2画面デバイス」向けSDKのプレビュー版を発表、Web標準案も2画面デバイスに対応した開発向け

Microsoftは、2画面デバイス対応のSDKのプレビュー版や最新の取り組みを発表した。2019年10月に発表した折り畳み型のデュアルスクリーンデバイス向けの開発を支援する。

» 2020年01月27日 21時00分 公開
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 Microsoftは2020年1月22日(米国時間)、2画面デバイス対応のSDKのプレビュー版や最新の取り組みを発表した。2019年10月に発表した折り畳み型のデュアルスクリーンデバイス向けの開発を支援する。

 このデュアルスクリーンデバイスは、Androidベースの「Surface Duo」と、Windows 10Xベースの「Surface Neo」の2種類で、いずれも2020年11月から始まるホリデーシーズンに販売の開始を計画している。

Surface Duo

 Microsoftは今回、Surface Duo向けのSDKのプレビュー版を公開した他、デュアルスクリーンデバイス向けWindows SDKのプレリリース版を数週間後にリリースする計画も明らかにした。

 さらにMicrosoftは、Webコンテンツがデュアルスクリーンデバイス上で優れたUXを提供できるようにする新機能の開発支援を行っており、その一環として新しいWeb標準案を推進していることなども発表した。この取り組みでは、WebコンテンツがWebブラウザで表示、実行される場合と、アプリケーションとしてインストールされる場合の両方を想定している。

 この他、同社はデュアルスクリーンデバイス向けアプリケーションの基本パターンなども紹介した。

Surface Duo向けのSDKのプレビュー版

 開発者は2020年1月22日からSurface Duo向けSDKのプレビュー版のダウンロードとドキュメントやベストプラクティスサンプルへのアクセス、ユーザーエクスペリエンス(UX)デザインパターンの調査などが可能になった。SDKのプレビュー版が提供する機能は次の通り。使用するには「Android Studio」が必要だ。

  • ネイティブJava API
    Surface Duoデバイス向けのデュアルスクリーン対応開発をサポートする。DisplayMask APIやヒンジ角度センサー、新しいデバイス機能を利用できる
  • Androidエミュレータ
    物理デバイスが手元になくてもアプリケーションをテストできるように、Android Studioに統合されたSurface Duoのプレビューイメージを提供する。このエミュレータは、デバイスがどのように保持されているのかはもちろん、ジェスチャーやヒンジ角度をシミュレートし、2画面の接続部を模倣する。Microsoftは、今後も機能追加を進めていくとしている
Surface Duoのプレビューイメージを提供するAndroidエミュレータ(出典:Microsoft

Windows 10Xデュアルスクリーンデバイス向けのWindows SDKのプレリリース版

 Windows 10Xデュアルスクリーンデバイス向けのWindows SDKのプレリリース版は、標準的なWindows Insiderビルドを通じて2020年2月11日に提供を開始する。プレリリース版は、Microsoftエミュレータとデュアルスクリーンをサポートする新しいAPI、ドキュメント、コードサンプルを含む。

  • ネイティブWindows API
    2画面にまたがるアプリケーション表示やヒンジ位置の検出する他、Windows 10Xの利用を可能にし、デュアルスクリーンに対応した開発をサポートする
  • Microsoftエミュレータ
    デュアルスクリーン対応のHyper-Vエミュレータ。シングルスクリーンはもちろんダブルスクリーンでも、既存のユニバーサルWindowsプラットフォーム(UWP)とWin32アプリケーションのデプロイ、テストが可能。物理デバイスをエミュレートするため、Windows 10X上でのアプリケーションの動作を確認できる
Windows 10Xの画面を表示したMicrosoftエミュレータ(出典:Microsoft

デュアルスクリーンデバイス上での優れたWebエクスペリエンス提供の支援

 2020年1月にMicrosoftがリリースしたMicrosoft Edgeは、Chromiumベースであり、WebサイトやWebアプリを体験するための基盤を提供する。WebコンテンツをWebブラウザで実行している場合でも、アプリケーションとしてインストールしている場合でも、デュアル画面デバイスで優れたエクスペリエンスを提供できるようにする新機能を積極的に開発中だ。

  • デュアルスクリーンレイアウト向けの新しいWeb標準
    MicrosoftはWeb開発者が複数のディスプレイを検出し、ディスプレイにまたがってコンテンツを配置するためのレイアウトプリミティブ(パターン)を提供する。そのためのCSSレイアウト用プリミティブとJavaScriptウィンドウセグメント列挙APIをWeb標準として提案している。Webブラウザのプレビュービルドでは、今後、これらの機能を実験的に実装する予定だ
  • デュアルスクリーンポリフィル
    Web標準化プロセスの進展を受け、Microsoftは、デュアルスクリーンの機能に対応したポリフィルを公開した。ポリフィルは、新しい機能をサポートしていないWebブラウザで、それら機能を使えるようにするコードを指す
  • プログレッシブWebアプリケーション(PWA)
    PWAは、最近リリースされたChromiumベースの新しい「Microsoft Edge」ブラウザでサポートされている形式。Windows 10XとAndroid上でWebブラウザから直接インストールでき、Webブラウザと同じデュアルスクリーンレイアウト機能とツールをサポートする

デュアルスクリーンデバイス向けアプリケーションの基本パターン

 Microsoftは、デュアルスクリーンデバイス向けアプリケーションの開発を始める開発者をサポートするため、これらのアプリケーションについて次のようなパターンを紹介した。

デュアルスクリーンアプリケーションのパターン(出典:Microsoft
デュアルスクリーンの方向とレイアウトの組み合わせ(出典:Microsoft

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