「多くの企業は“ひと”や社会への影響を十分検討できていない」 アクセンチュアAccenture Technology Vision 2020

アクセンチュアは、世界の技術トレンドに関する調査レポート「Accenture Technology Vision 2020」を発表した。同レポートは、消費者のデジタル技術に対するニーズや期待に、企業が対応しきれていないと指摘する。

» 2020年02月19日 08時00分 公開
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 アクセンチュアは2020年2月18日、今後3年間でビジネスに大きな影響をもたらす技術トレンドを予測した年次調査レポート「Accenture Technology Vision 2020」(アクセンチュアテクノロジービジョン2020)を発表した。

 アクセンチュアテクノロジービジョン2020のテーマは、「ポスト・デジタル時代を生きる − 企業が『テック・クラッシュ』を乗り切るには」。アクセンチュアは「多くの技術が人々の働き方や暮らしに組み込まれているものの、必ずしも消費者のデジタル技術に対するニーズや期待に企業は対応しきれていないことを明らかにした」としている。同レポートは「企業が技術を活用してより良い世の中を構築するには、新たな考え方やアプローチが不可欠だ」と指摘している。

 アクセンチュアが実施した調査によると、調査対象となった6000人以上の企業の上級役職者、またはIT担当役員のうち、「技術は“ひと”の体験を形作る上で欠かせないものになった」と回答した割合は83%だった。一方、同調査の対象となった2000人の消費者のうち、今後3年間で技術と自分の関係が「深まる」または「大幅に深まる」と回答した割合は合計70%だった。

画像 5つのトレンドを定義(出典:アクセンチュア

「テック・クラッシュが起きている」

 アクセンチュアの最高技術責任者(CTO)兼 最高イノベーション責任者(CIO)を務めるPaul Daugherty氏は、「多くの企業は、技術に期待を寄せてきたものの、“ひと”や社会への影響を十分検討せずに製品やサービスを市場に投入している。そのため消費者の期待と、技術の潜在的な提供価値、ビジネス目標が食い違い、『テック・クラッシュ』ともいえる衝突が起きている。企業はやみくもに技術を活用するのではなく、ひとの信頼を得ることを最優先に据えて、その中核となるビジネスや技術のモデルを見直し、競争と成長のための新たな基盤を築いていく必要がある」と述べている。

 こうしたテック・クラッシュを取り除き、より強い信頼関係によって成り立つ新たなビジネス価値を提供するために、テクノロジービジョン2020は「The I in Experience」(体験の中の私)、「AI and Me」(AIと私)、「The Dilemma of Smart Things」(スマートシングスのジレンマ)」「Robots in the Wild」(解き放たれるロボット)、「Innovation DNA」(イノベーションのDNA)という5つの技術トレンドを定義した。

 例えば「The I in Experience」に関してアクセンチュアは、消費者一人一人に合わせた体験を設計することが企業にとって必要になると主張する。消費者に「自分で制御できず、蚊帳の外に置かれている」といった感覚を与えてしまう一方通行の体験を、双方向性を持った体験に変えることで、積極性をもたらすことが可能になるとしている。同様に「AI and Me」については、AI(人工知能)を自動化のためではなく、業務に付加価値をもたらす手段として活用することが不可欠だと指摘している。

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