Microsoftは、「Excel」の新しい関数「LET」を発表した。現在はβ機能であるこの関数では、計算結果に名前を割り当てることができる。
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Microsoftは2020年3月17日(米国時間)、「Excel」の新しい関数「LET」を発表した。LET関数は現在、β機能であり、「Office Insider」のInsiderチャネルに参加する「Office 365」契約者が利用できる。2020年中に他のチャネルのユーザーも利用できるようになる。
LET関数は、計算結果に“名前”を割り当てるものだ。これらの名前は、LET関数のスコープ内だけで適用できる。プログラミングの“変数”に似ているが、Excelネイティブの数式構文を使って実現するという。
LET関数を使用するには、名前と値のペア、およびそれらを使用する計算を定義する。名前と値のペアは少なくとも1つ定義する必要がある。LETは最大126個のペアをサポートする。
Microsoftは、LET関数の利点として下記を挙げている。
= LET (name1, value1, calculation) = LET (name1, value1, name2, value2, calculation) = LET (name1, value1, name2, value2, name3, value3, calculation) : :
引数の説明は、下記の通り。
注意点は、下記の通り。
「SUM(x, 1)」のようなシンプルな式を例にする。この式の「x」は、いわば名前を付けられた変数であり、値を割り当てることができる(この例では、「5」という値が割り当てられている)。
=LET(x, 5, SUM(x, 1))
この式をセルに入力すると、「6」という値が返される。
生の販売データがあり、それをフィルター処理して1人の担当者の実績を表示し、空白のセルに「―」(ダッシュ)を追加したいとする。
上の処理は、LETを使わなくても実行できるが、LETを使えば、式の読みやすさが改善され、LETを使わない場合と比べて計算速度が2倍に向上するという。
= IF (ISBLANK (FILTER (A2: D8, A2: A8 = "Fred")), "-", FILTER (A2: D8, A2: A8 = "Fred"))
= LET (filtercriteria、 "Fred"、 filteredRange、FILTER (a2: D8、a2: A8 =filtercriteria)、IF (isblank (filteredRange)、"-"、 filteredRange)
例2を試したい場合は、次の表を空のワークシートのセルA1にコピーするといいだろう。
営業 | 地域 | 製品 | 利益 |
---|---|---|---|
さん | 東部 | りんご | $1.33 |
Fred | 南部 | バナナ | $0.09 |
さん | 西部 | Mango | $1.85 |
Fred | 北部 | $0.82 | |
Fred | 西部 | バナナ | \125 |
さん | 東部 | りんご | $0.72 |
Fred | 北部 | Mango | $0.54 |
「LET関数(サポートドキュメント)」から引用 |
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