野村総合研究所が実施した人材マネジメントの柔軟性と新型コロナウイルス感染症の会社業績への影響と対応に関する調査によると、人材マネジメントが柔軟な企業ほど、新型コロナウイルス感染症に対応できていた。
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野村総合研究所(以下、NRI)は2020年10月5日、人材マネジメントの柔軟性と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の会社業績への影響と対応に関する調査結果を発表した。それによると、人材マネジメントが柔軟な企業ほど、COVID-19に対応できており、同感染拡大後の業績見通しについても底堅い傾向にあった。
今回の調査は、2020年7月に実施したもので、人材マネジメントの柔軟性について「報酬体系」「評価運用」「任用・配置」「人材・組織」「労務環境」の5項目に関する質問を各5段階評価で聞いた。対象は全国の企業の人事・労務担当の部長・役員と人事企画担当者。206社から有効回答を得た。
NRIは、これらの質問に対する回答の平均点が4以上の企業を「しなやか企業」、平均点2以下の企業を「硬直企業」と定義した。しなやか企業は硬直企業に比べて業績と業績見通しが維持または好調となっており、COVID-19への対応も「十分に対応できている」と回答した割合が高かった。
回答結果を分析すると、人材・組織に関する質問の点数が高い企業ほど、業績見通しが良いという傾向が見られた。NRIは「人材・組織面で柔軟なマネジメントを進めている企業は、業務の内容や様式、対応体制を環境の変化に合わせて素早く調整しやすく、多角的な視点から事業が推進できるからだ」と考えている。
COVID-19への対応状況を分析すると、「IT・デジタルの活用」や「柔軟な人材配置・任用」「是々非々の評価運用」が進んでいる企業ほど、対応できている傾向が見られた。これらの理由についてNRIは、「IT・デジタルの活用が進んでいる企業はテレワークを推進しやすいことと、柔軟な人材配置ができるので素早い対応が自発的に提案・実行されやすいためだろう」と推察している。
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