オハイオ州立大学が発表した研究によると、バスの到着時間を予測するスマートフォンアプリには課題があるという。バスの時刻表を参考にした場合と比べて、平均すると待ち時間が長くなるからだ。
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オハイオ州立大学が2020年10月13日(米国時間)に発表した研究は、リアルタイム予測情報を参照した場合の課題を明らかにした。
研究ではバスがバス停に到着する予想時刻を利用者に知らせるスマートフォンアプリケーションを対象とし、どの程度待ち時間を改善できるのかを調べた。その結果、正式なバス時刻表を参考にした場合と比べて待ち時間を短縮できないばかりか、バスに乗り遅れる危険性もあることが分かった。
同大学で地理学を専攻する博士課程の学生であるルーユー・リュー氏と、同大学の地理学教授で都市・地域分析センターのディレクターを務めるハービー・ミラー氏は「Transportation Research Part A」誌のオンライン版で研究論文を発表した。
論文によると、運行情報アプリケーションが提供するバスの予想到着時刻に従うのは危険がある。アプリケーションは自宅やオフィスから出発する時間をアドバイスするが、それに従うと約75%の確率でバスに乗り遅れるという。
「出発時刻に関する運行情報アプリケーションのアドバイスに従うのはリスキーだ。バスが5分遅れると通知してきても、ユーザーが出発した後で、ドライバーが遅れを挽回できる場合があるからだ。そうなればユーザーはバスに乗り遅れてしまう」(リュー氏)
利用者はどうすればよいのか。研究チームの指針はこうだ。平均して最良の結果を得るには正式な時刻表を参照するか、あるいは少なくとも、時間の余裕を見てアプリケーションのアドバイスを利用することだ。
「今回の研究はリアルタイムバス運行情報を悪者視しているのではない。だが、こうしたアプリケーションを使うのであれば、使い方を心得ておかなければならない。平均的に見ればアプリケーションを使ったとしても、時刻表を参照するより時間の節約になるわけではないことを理解すべきだ」(ミラー氏)
リュー氏とミラー氏は研究のために、オハイオ州コロンバス市(人口約90万人)の公共バスシステム「Central Ohio Transit Authority」(COTA)からほぼ直線状の40キロ程度のバスルートを選び、2018年5月から2019年5月までの1年間のバス運行状況を分析した。
両氏はバスの現在地と各バス停への到着予想時刻を知らせるためにあるリアルタイムデータを研究に採用した。これは広く提供されているアプリケーションが乗客にバス停への到着予想時刻を知らせるために用いているものと同じデータだ。
コロンバス市の大部分を通る乗客の多いバスルートについて、このリアルタイムデータに基づく各バス停への到着予想時刻と、実際の到着時刻を研究で比較した。さらに利用者が自宅からバス停に出発する時間を決めるために、どんなアプローチを取ったかによって、4つのグループに分類し、各グループについてバス停での平均待ち時間を算出した。
各グループの平均待ち時間は次の通りだった。
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