Amazon Web Services(AWS)は、よりスケールアップが柔軟になった「Amazon Aurora Serverless」の次期バージョンを発表した。併せて「Microsoft SQL Server」ワークロードを「Amazon Aurora PostgreSQL」で実行できる新機能も発表した。
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Amazon Web Services(AWS)は2020年12月1日(米国時間)、「Amazon Aurora Serverless v2」と「Babelfish for Aurora PostgreSQL」を発表した。
Amazon Aurora Serverless v2は、「Amazon Aurora Serverless」の次期バージョン。Babelfish for Aurora PostgreSQLは、「Microsoft SQL Server」ワークロードを「Amazon Aurora PostgreSQL」で実行できる機能だ。さらにAWSは、2021年にBabelfish for Aurora PostgreSQLをオープンソース化する計画も明らかにした。
Amazon Aurora Serverlessは、「Amazon Aurora」をオンデマンドの自動スケーリング構成で利用できるサービス。Amazon Auroraは、「MySQL」や「PostgreSQL」と互換性のあるクラウドベースのリレーショナルデータベースだ。
Amazon Aurora Serverlessは、アプリケーションの使用状況に合わせて自動的に起動し、コンピューティング性能をスケールアップまたはスケールダウンし、不使用時にはシャットダウンする。データベースキャパシティーを一切管理することなく、データベースをクラウドで実行できる。
データベースキャパシティーを手動で管理すると、手間と時間がかかることはもちろん、データベースリソースの非効率な使用につながる恐れもある。Amazon Aurora Serverlessを使えば、シンプルにデータベースエンドポイントを作成し、オプションで望ましいデータベースキャパシティー範囲を指定した後、アプリケーションを接続できる。
AWSでは、データベースのアクティブ時におけるデータベースキャパシティーの使用量に応じて、秒単位で利用料金が課金される。「Amazon RDS管理コンソール」から数クリックの操作で、こうしたサーバレス構成と標準構成を切り替えることもできる。
今回発表されたAmazon Aurora Serverless v2は、データベースワークロードを1秒もかからずに数十万トランザクションにスケールアップできる。従来版では、ワークロードのスケールアップが必要になるたびに、データベースキャパシティーを倍増させていたが、新版では、アプリケーションニーズに合わせてキャパシティーをきめ細かく調整し、データベースリソースを適切な量だけ提供できる。
さらに新版では、ピークキャパシティーのプロビジョニングコストで比べると、データベースコストを最大90%節約できる。
Aurora Serverless v2は、Amazon Auroraの幅広い機能を全て提供する。その中には、マルチアベイラビリティゾーンのサポートによる高可用性、「Global Database」による低レイテンシ、リードレプリカによる高パフォーマンス、バックトラックによる高いレジリエンシー(復元力)、並列クエリによる高速クエリなどが含まれる。
AWSはAurora Serverless v2に適したユースケースとして、従来版の可変ワークロードと予測不能なワークロードに加え、新たにエンタープライズデータベースフリート管理、SaaS(Software as a Service)アプリケーションを挙げている。これらの概要は以下の通り。
Amazon Aurora Serverless v2は、Amazon Auroraの「MySQL 5.7」互換エディション向けにプレビュー版が提供されている。
Babelfish for Aurora PostgreSQL(Babelfish)は、Microsoft SQL Server向けに作成されたアプリケーションを、コードをほとんど、または全く変更することなく、Aurora PostgreSQLで直接実行できる新機能だ。
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