【 Get-Credential 】コマンドレット――資格情報を登録するWindows PowerShell基本Tips(22)

本連載は、PowerShellコマンドレットについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は「Get-Credential」コマンドレットを解説します。

» 2021年01月19日 05時00分 公開
[国井傑株式会社ソフィアネットワーク]

この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。

「Windows PowerShell基本Tips」のインデックス

連載目次

 本連載では、Windows PowerShellの基本的なコマンドレットについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回は、PowerShellで資格情報を登録する「Get-Credential」コマンドレットです。

Get-Credentialコマンドレットとは?

 「Get-Credential」は、PowerShellを利用して「資格情報」(ユーザー名/パスワード)を登録するコマンドレットです。PowerShellの中で資格情報の入力が必要な際、あらかじめGet-Credentialコマンドレットを通じて登録しておくことでサインイン操作を自動化することができます。


Get-Credentialコマンドレットの書式

Get-Credential [オプション]


Get-Credentialコマンドレットの主なオプション

オプション 意味
-Credential 資格情報のうちユーザー名を指定する。省略可能
-UserName 資格情報のうちユーザー名を指定する。省略可能
-Message 資格情報を入力するダイアログに表示する内容を指定する。省略可能


資格情報を入力し、変数に登録する

 Get-Credentialコマンドレットを実行すると、資格情報を入力するダイアログが表示されます。ダイアログに資格情報を入力することで、その内容は変数に登録されます(画面1)。

コマンドレット実行例

$cred = Get-Credential

画面1 画面1 Get-Credentialコマンドレットを実行し、ダイアログに入力した資格情報を変数「$cred」に登録した

 資格情報を変数に登録しておくことで、PowerShellコンソールの中で使い回すことができるようになります。例えば、PowerShellコマンドレットを利用して「Azure Active Directory」(Azure AD)に対する操作を行う場合、Azure ADに接続するために必要な資格情報を入力しなければなりませんが、このときに$cred変数を利用することで資格情報の入力を省略できるようになります(画面2)。

コマンドレット実行例

Connect-AzureAD -Credential $cred

画面2 画面2 Azure ADに接続し、$cred変数に登録した資格情報を提示している


資格情報の入力時のダイアログにオリジナルのメッセージを表示する

 Get-Credentialコマンドレットを「-Message」オプションを付けて実行すると、資格情報を入力するダイアログにオリジナルメッセージを表示することができます(画面3)。以下のコマンドレットでは、「Azure ADにサインインするための資格情報を入力してください」というメッセージを表示します。

コマンドレット実行例

$cred = Get-Credential -Message "Azure ADにサインインするための資格情報を入力してください"

画面3 画面3 Get-Credentialコマンドレットを「-Message」オプションで実行した結果。ダイアログに「Azure ADにサインインするための資格情報を入力してください」のメッセージが表示された


資格情報の入力時にユーザー名の入力を省略する

 Get-Credentialコマンドレットを「-Credential」オプションを付けて実行すると、事前に指定したユーザー名がダイアログに表示されるようになります(画面4)。

コマンドレット実行例

$cred = Get-Credential -Credential Administrator

画面4 画面4 Get-Credentialコマンドレットを「-Credential」オプションを付けて実行した結果。ダイアログに最初から「Administrator」ユーザーの名前が表示されている

 本操作は「-UserName」オプションを利用しても同じようにユーザー名を自動入力できます。ただし、「-UserName」オプションは「-Message」オプションと同時利用することが前提条件になります。

筆者紹介

国井 傑(くにい すぐる)

株式会社ソフィアネットワーク取締役。1997年からマイクロソフト認定トレーナーとして、Active DirectoryやActive Directoryフェデレーションサービス(AD FS)など、ID管理を中心としたトレーニングを提供している。2007年からMicrosoft MVP for Directory Servicesを連続して受賞。なお、テストで作成するユーザーアカウントには必ずサッカー選手の名前が登場するほどのサッカー好き。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

4AI by @IT - AIを作り、動かし、守り、生かす
Microsoft & Windows最前線2025
AI for エンジニアリング
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。