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AMDがデータセンター向けプロセッサ「AMD EPYC(エピック)」の第2世代を発表した(AMDのプレスリリース「High-Performance AMD EPYC CPUs and Radeon Pro GPUs Power New AWS Instance for Graphics Optimized Workloads」参照のこと)。Intelの金城湯池であった(今もまだ、であるが)データセンター向けプロセッサにおける戦いも第2幕、AMDの攻勢拡大局面である。
AMDは、EPYC第1世代で一応の橋頭堡(ほ)を築いたが、シェア的にはまだまだ。第2世代で拡大を狙っているようだ。一気に打倒Intelとなるかどうかは分からない。しかしこの第2世代は、巨大なデータセンター市場における戦国時代の幕開けを告げるものになるのではないかと思っている。
まずデータセンター市場について考えてみる。その市場に登場するプレイヤーは個人使用のデスクトップ機やモバイル機に比べると少々相互関係が複雑だ。
データセンターのプロセッサの上で実際にアプリを走らせているビジネスオーナーというべき主体がいる。彼らは、例えば自身のeコマースサイトであったり、彼らのビジネスを遂行するためのインフラとしてデータセンターを使ったりしているユーザーである。彼らの先に彼らのユーザー(個人であったり法人であったり)がいる。実際にデータセンターで処理されるデータを考えればそちらの方が「真のユーザー」なのだが。
しかし「真のユーザー」にとっては、データセンターの実際の所在地や、ましてはプロセッサが何かは関係ない。ただ、データセンターの可用性(落ちていたら怒る!)とレスポンスが重要である。ビジネスオーナーにしてもデータセンターが落ちていたり、レスポンスが悪かったりすれば収益に直結する。ここは一致している。
一方、ビジネスオーナーが常に考えるのはデータセンターにかかるコストの最小化である。ここが小さくできればできるほど収益が上がるのだ。なお、コストにはセキュリティも含めるべきだろう。見かけのコストが安くても、セキュリティが駄目で事件など起こすと、現代のビジネスにおいては致命傷になりかねないからだ。そこも含めた「トータルコスト」という観点になる。
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