「State of JavaScript 2020」が公開、関連技術の動向が分かる満足度や利用率の高いものは

JavaScriptの利用動向に関する年次調査「State of JavaScript 2020」が発表された。世界137カ国のJavaScriptユーザー2万3765人の回答が集計、分析されている。JavaScript関連技術を7つに分け、それぞれの評価も分析した。「webpack」「Express」「React」「TypeScript」「Jest」といった技術に勢いがあることが分かったという。

» 2021年02月10日 16時30分 公開
[@IT]

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 JavaScriptの利用動向に関する年次調査「State of JavaScript 2020」の結果が発表された。世界137カ国のJavaScriptユーザー2万3765人の回答を集計、分析したものだ。

ユーザー数と学習を希望する人の数は技術ごとにどう変わったのか

 State of JavaScript 2020では、JavaScript技術の全体的な利用動向を紹介するため、「JavaScript技術ごとのユーザー数と学習希望者数の推移」「JavaScript技術ごとの満足度とユーザー数の一覧」「1つまたは複数の技術を使用する回答者の割合」という3つのグラフを使って調査結果をまとめている。

 次の図にある個々の太い線は、2016〜2020年にJavaScriptのフレームワークやツール、拡張について、ユーザーの傾向がどのように推移したのかを示している。

JavaScript技術ごとのユーザー数と学習希望者数の推移(出典:State of JavaScript 2020

 縦軸は上に行くほど、ユーザーが多いことを示し、横軸は右に行くほど、肯定的に評価するユーザー(学習希望者や、再度利用しようとするユーザー)が多いことを表している。2016〜2020年にユーザー数や評価が上昇した技術は赤い線で、下降した技術は青い線で示されている。

 ユーザー数が多く、肯定的に評価するユーザーも多いものは、「webpack」「Express」「React」「TypeScript」「Jest」などだ。「GraphQL」や「Vue.js」も、ユーザー数や肯定的に評価するユーザー数が目覚ましく伸びている。これに対し、「Angular」は、ユーザー数は増えている一方で、否定的に評価するユーザーも増えている。

満足度とユーザー数の関係は?

 次の図は満足度とユーザー数から、JavaScript技術を分類したものだ。縦軸で満足度(満足しているユーザーの割合)、横軸でユーザー数を示している。

JavaScript技術ごとの満足度とユーザー数の一覧(出典:State of JavaScript 2020

 評価のために、全体を「ADOPT」(採用)の他、「ASSESS」(評価)、「ANALYZE」(分析)、「AVOID」(回避)という4つに分けている。

 ADOPT(右上)に含まれる技術はユーザー数が多く、満足度も高く、安心して採用できるとした。webpack、React、Express、TypeScript、Jest、「Redux」、Vue.js、「Mocha」、GraphQLが該当する。

 ASSESS(左上)に含まれる技術は、まだユーザー数は少ないものの、満足度が高く、目を配っておく価値があるという。特に満足度が高いものとして、「Testing Library」「Next.js」「Cypress」「Storybook」「esbuild」「Playwright」が挙がっている。

 ANALYZE(右下)に含まれる技術は、ユーザー数が多いものの、満足度が低い。現在使っている場合は、再評価すべきだという。Angularと「Gulp」が該当する。

 AVOID(左下)に含まれる技術は、ユーザー数が少なく、満足度も低い。今のところは避けることが無難だと指摘している。「NW.js」「Ember」「Meteor」「Browserify」「Cordova」が該当する。

各カテゴリーの技術を幾つ使っているのか

 次の図は7つのカテゴリーごとに、各カテゴリーの技術を1〜N個使用する回答者の割合を示している。

 左上から順に「JavaScriptにコンパイルされるプログラミング言語」(JavaScript Flavors)、「フロントエンドフレームワーク」「データ層」「バックエンドフレームワーク」「テスト」「ビルドツール」「モバイル&デスクトップ」だ。

1つまたは複数の技術を使用する回答者の割合(出典:State of JavaScript 2020

 各項目を表しているグラフの左端の数字(1〜10)は、各カテゴリーに属する技術の数。「使用する回答者」は、「また使いたい」と答えた回答者を指す。

 テスト(3種類使うユーザーが最も多い)とビルドツール(同じく2種類が最も多い)の両カテゴリーは、複数の技術を使用する回答者の割合が高いと分かる。逆にJavaScriptにコンパイルされるプログラミング言語については、61.7%の回答者が1種類(TypeScript)だけ利用していることが分かった。

それぞれの技術をユーザーはどう評価しているのか

 State of JavaScript 2020では、前述した7つのカテゴリーごとに、3つの観点からさらに技術の評価を深掘りしている。

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