Microsoft、クラウド対応のプリントサービス「ユニバーサルプリント」を正式リリースドライバのインストールやオンプレミスのプリントサーバが不要に

Microsoftは、クラウド印刷サービス「ユニバーサルプリント」の一般提供を開始した。Windows Serverの主要な印刷機能をMicrosoft 365クラウドに移行できる。オンプレミスのプリンタサーバが不要になり、デバイスにプリンタドライバをインストールする必要もなくなる。

» 2021年03月09日 16時00分 公開
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 Microsoftは2021年3月2日(米国時間)、ユーザーがどこからでもインターネット経由で印刷できるクラウド印刷サービス「ユニバーサルプリント」の一般提供を開始したと発表した。

 ユニバーサルプリントのパブリックプレビューは2020年7月に始まっており、既に数千社の企業が利用している。このサービスはMicrosoftのデータセンターで運用されており、次に挙げるWindowsや「Microsoft 365」サブスクリプションのいずれかを契約している企業は、今回、ユニバーサルプリントをアクティベートできるようになった。

  • Microsoft 365 Business Premium
  • Windows 10 Enterprise E3、同E5
  • Microsoft 365 Enterprise F3、同E3、同E5
  • Windows 10 Education A3、同A5
  • Microsoft 365 Education A3、同A5

 ユニバーサルプリントは、Windows Serverの主要な印刷機能をMicrosoft 365クラウドに移行するというもの。企業はオンプレミスのプリンタサーバが不要になり、デバイスにプリンタドライバをインストールする必要もなくなる。

Azure ADや印刷位置検出などを利用可能

 さらに、ユニバーサルプリントは、「Azure Active Directory(Azure AD)」を利用したプリンタアクセス用セキュリティグループの他、ユーザーに近い場所など位置ベースのプリンタ検出、豊富な管理機能(Azureポータルでの一元管理、印刷環境の制御、レポート、可視化など)といった機能も提供する。

ユニバーサルプリントのアーキテクチャ(出典:Microsoft

 「Microsoft Endpoint Manager」(Microsoft Intune)を使用して、エンドユーザーのデバイス上での展開と既定のプリンタ構成を行うことも可能だ。

 ユニバーサルプリントを導入している企業と独立系ソフトウェアベンダー(ISV)は、「Microsoft Graph」のユニバーサルプリントAPIを使用して、新しいシナリオをサポートするアプリケーションを構築、拡張できる。

主要プリンタメーカーが対応

 プリンタ関連業界の多くのパートナーがユニバーサルプリント対応ソリューションを発表している。

 Microsoftによると、ブラザー工業とキヤノン、セイコーエプソン、HP、コニカミノルタ、京セラ、Lexmark International、リコー、東芝、Xeroxが、既存デバイスをユニバーサルプリントに対応させるアップデートや、ユニバーサルプリントにネイティブ対応した新型プリンタを現在提供しているか、年内に提供を開始する。

 一部のパートナーは1台以上のプリンタをユニバーサルプリントに迅速に接続するインテリジェントエッジデバイスを市場に投入しようとしている。印刷管理ソリューションを求める顧客向けに、さまざまなソフトウェアパートナーがユニバーサルプリントベースのソフトウェアやクラウドサービスを提供しようとしている。

 さらにスマートフォンやモバイルデバイスのビジネス利用が広がっていることを踏まえ、Microsoftは2021年夏に、任意のデバイスからWebブラウザで「OneDrive for Business」にアクセスし、ユニバーサルプリントを使ってドキュメントを印刷できるようにする計画も明らかにした。

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