Microsoftは、クラウド印刷サービス「ユニバーサルプリント」の一般提供を開始した。Windows Serverの主要な印刷機能をMicrosoft 365クラウドに移行できる。オンプレミスのプリンタサーバが不要になり、デバイスにプリンタドライバをインストールする必要もなくなる。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
Microsoftは2021年3月2日(米国時間)、ユーザーがどこからでもインターネット経由で印刷できるクラウド印刷サービス「ユニバーサルプリント」の一般提供を開始したと発表した。
ユニバーサルプリントのパブリックプレビューは2020年7月に始まっており、既に数千社の企業が利用している。このサービスはMicrosoftのデータセンターで運用されており、次に挙げるWindowsや「Microsoft 365」サブスクリプションのいずれかを契約している企業は、今回、ユニバーサルプリントをアクティベートできるようになった。
ユニバーサルプリントは、Windows Serverの主要な印刷機能をMicrosoft 365クラウドに移行するというもの。企業はオンプレミスのプリンタサーバが不要になり、デバイスにプリンタドライバをインストールする必要もなくなる。
さらに、ユニバーサルプリントは、「Azure Active Directory(Azure AD)」を利用したプリンタアクセス用セキュリティグループの他、ユーザーに近い場所など位置ベースのプリンタ検出、豊富な管理機能(Azureポータルでの一元管理、印刷環境の制御、レポート、可視化など)といった機能も提供する。
「Microsoft Endpoint Manager」(Microsoft Intune)を使用して、エンドユーザーのデバイス上での展開と既定のプリンタ構成を行うことも可能だ。
ユニバーサルプリントを導入している企業と独立系ソフトウェアベンダー(ISV)は、「Microsoft Graph」のユニバーサルプリントAPIを使用して、新しいシナリオをサポートするアプリケーションを構築、拡張できる。
プリンタ関連業界の多くのパートナーがユニバーサルプリント対応ソリューションを発表している。
Microsoftによると、ブラザー工業とキヤノン、セイコーエプソン、HP、コニカミノルタ、京セラ、Lexmark International、リコー、東芝、Xeroxが、既存デバイスをユニバーサルプリントに対応させるアップデートや、ユニバーサルプリントにネイティブ対応した新型プリンタを現在提供しているか、年内に提供を開始する。
一部のパートナーは1台以上のプリンタをユニバーサルプリントに迅速に接続するインテリジェントエッジデバイスを市場に投入しようとしている。印刷管理ソリューションを求める顧客向けに、さまざまなソフトウェアパートナーがユニバーサルプリントベースのソフトウェアやクラウドサービスを提供しようとしている。
さらにスマートフォンやモバイルデバイスのビジネス利用が広がっていることを踏まえ、Microsoftは2021年夏に、任意のデバイスからWebブラウザで「OneDrive for Business」にアクセスし、ユニバーサルプリントを使ってドキュメントを印刷できるようにする計画も明らかにした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.