Microsoftは2021年5月12日(米国時間)、「Azure Static Web Apps」の一般提供開始を発表しました。Azure Static Web Appsは、静的なコンテンツのホスティングを動的なスケールとサーバレスのAPIを通じて提供するもので、無料で利用できるFreeプランが用意されています。
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「Azure Static Web Apps(静的Webアプリ)」(以下、Static Web Apps)が「Azure App Service」の新しいサービスとして正式に利用可能になりました。Static Web Appsは、GitHubまたはAzure DevOpsのコードリポジトリと完全に統合された、サーバレスのWebアプリのホスティング環境です。
静的Webアプリは、HTMLやCSS、JavaScript、イメージなどで構成される“静的なWebコンテンツ”です。
Microsoft Azureでは静的なWebアプリをデプロイできる環境として、Azure App Serviceの「Web App(Webアプリ)」が既に利用可能です。また、「BLOBストレージ」でサポートされる「静的Webサイト(Static Web Site)」を利用することもできます。
.NETやJava、Node.js、PHP、Python、WindowsまたはLinuxのコンテナなど、さまざまなランタイムに対応した従来のWeb Appsではオーバースペック、Blobストレージでサポートされる静的なWebサイトでは機能不足というケースでは、Static Web Appsは魅力的な選択肢になるでしょう。
Static Web Appsにリソースを作成すると、AzureがGitHubを監視して、コミットされたコンテンツを自動的にデプロイしてくれます(画面1、画面2)。
また、「Visual Studio Code」の「Azure Static Web拡張」を利用すると、Visual Studio CodeのエディタでGitHubのリポジトリのクローンに対してコードを作成、テストし、AzureにStatic Web Appsとして直接デプロイできます(画面3)。
Static Web Appsを利用可能なリージョンは日本以外の一部に限定されますが(Central US、East US 2、West US 2、West Europe、East Asia)、Static Web Appsにデプロイされたコンテンツはグローバルに複数のリージョンに分散配置され(サーバレスであり特定のWebサーバからは分離される)、エンドユーザーに近い場所から配信されるため、高速なアクセスを提供できます。
また、静的なコンテンツとはいっても「Azure Functions」と統合されたAPIのサポート、Azure Active DirectoryやFacebook、Google、GitHub、Twitterの認証プロバイダーのサポート、発行前のステージングバージョンによるプレビュー機能など、Webアプリのための必要十分な機能を備えています。
Static Web Appsには、趣味または個人的なプロジェクトのための「Free」プラン(無料)と、汎用(はんよう)的な運用アプリのための「Standard」プランが用意されています。FreeプランではSLA(サービス品質保証)は提供されませんが、1つのアプリ当たり2つまでのカスタムドメインのサポートと、無料のSSL証明書が利用可能です。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(2020-2021)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。
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