グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。前編に引き続きヒューマンリソシアのJorge Pelaez(ベラエズ・ホルヘ)氏にお話を伺う。「easy-going」を信条とする同氏が、8時間みっちり仕事をできる理由とは何だろうか。
世界で活躍するエンジニアにお話を伺う「Go Global!」シリーズ。前編に引き続き、ヒューマンリソシアのJorge Pelaez(ベラエズ・ホルヘ)氏にご登場いただく。同氏が「日本のエンジニアのキャリアパス」で最も違和感を覚える部分とは――。
聞き手は、アップルやディズニーなどの外資系企業でマーケティングを担当し、グローバルでのビジネス展開に深い知見を持つ阿部川“Go”久広。
阿部川“Go”久広(以降、阿部川) 日本でお仕事をされていて、大変だと思うことは何ですか。
ホルヘ氏 現在のプロジェクトは私を除いて全員日本人なので毎日の会話は日本語です。私にとってはそれもチャレンジングですね(笑)。あるときなど上司から指示が出たので、それを完成させて提出したら「うん、よくできているね。ところで何でこれを作ったの?」と質問されてしまって。私が彼の指示を誤解していたのです。あのときは参りました……。
阿部川 「共に学び合っている」といえるのではないでしょうか。これまでのスペインの数社での仕事の経験に比べて、日本人の仕事の仕方で独特だと思うようなことはありますか。
ホルヘ氏 現在参加していているプロジェクトは従来の日本のプロジェクトとは規模感や内容は違うのですが、やはり日本人と働くことは、スペインの人と働くのとは全く違うと感じます。
私たちは概して「easy-going」(深刻にならず、気楽に構えている意味)です。スペインであれば、しょっちゅうコーヒーを取りに行ったり、サンドイッチを食べたりします。一日に最低5回はコーヒーブレークがありますし、それがモチベーションのアップにつながっています。これが8時間ストレートで仕事だとすると、とても疲れます。スペインだと2時間ずつ4回、といった感じで息抜きしますから、その代わり仕事をするときはエネルギーに満ちています。まあ、現在は続けて仕事をすることにも慣れてきましたが(笑)。
阿部川 なるほど。「仕事が好きなので8時間でも集中してやれる」という側面はあるでしょうね。
ホルヘ氏 そうかもしれません。仕事が続いてもやもやしてきたときは別のプロジェクトに手を付けて気分転換をしています。幾つもプロジェクトを抱えているとそういうメリットもありますね(笑)。
阿部川 現在は25歳と若く、さまざまなプロジェクトや新しい仕事をこなされていますが、ここから例えば10年の間にどのようなことをしていきたいとお考えですか。
ホルヘ氏 ITの仕事を続けながらマネジメントも身に付けたいと思っています。マネジメントができた方がより大きなゴールに向かって仕事ができますからね。
阿部川 日本のエンジニアの中には、例えばこのままプログラマーの仕事を一生続けていった方がいいのか、あるいはどこかでマネジメントの方向へキャリアチェンジを考えた方がいいのかと二者択一のように考えて迷う人もいます。でもホルヘさんがおっしゃるのは、ITに軸足はあるものの、ビジネス全体も俯瞰(ふかん)するような、いわばハンズオンのマネジャーのような職種ということですよね。
ホルヘ氏 その通りです。マネジメントは大切ですが「ビッグボスのような存在になって四六時中管理ばかりしている」ということではありません。基本的にはエンジニアとして問題解決をしつつ、仕事をより効率的にできるようにするということです。
阿部川 そのゴールに到達するために、プログラミング以外で学んでいることはありますか。
ホルヘ氏 私は基本的に新しいものを創り出すことが好きですので、常に最新の技術情報などは勉強しています。特に「ゲーム」と「AI」(人工知能)について学んでいます。AIはまだまだ生まれたての技術で広大な可能性が広がっていますし、さまざまな分野で応用できると思います。
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