SlashDataは、主要な開発者向け支援プログラムについて年2回実施している調査「Developer Program Benchmarking」の概要を発表した。開発者の利用人数や利用頻度、満足度から20以上の企業を比較している。
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調査会社SlashDataは2021年7月1日(英国時間)、20以上の企業が提供する開発者向け支援プログラムについて、概要を発表した。ドキュメントやサンプルコード、開発ツール、技術サポートといった支援プログラムが対象だ。年2回実施している調査「Developer Program Benchmarking」に基づく。
この調査では各企業の開発者向け支援プログラムについて、開発者の利用人数や利用頻度、満足度を測定している。調査の中で開発者に対し、どのリソースやサービスが最も重要か、利用しているベンダー支援プログラムをどのように評価しているかも尋ねている。
公開されたサンプルデータは次の3つのKPI(重要業績評価指標)から、個々の開発者向け支援プログラムの全体的な実績を図示したものだ。2021年第1四半期の調査結果(回答者:1万7791人)に基づいている。
利用人数 支援プログラムを利用している開発者の人数(図では、個々の円の大きさで示した)
利用頻度 支援プログラムのリソースを少なくとも週1回利用する開発者の割合(図の縦軸)
満足度 支援プログラムのさまざまな機能の加重スコア(−100〜100、図の横軸)
SlashDataは、図右上の「マーケットリーダー」に位置するGoogle、Microsoft、Amazon.comが、高い利用頻度と満足度を獲得していると述べている。
中でもGoogleとMicrosoftは長期にわたってマーケットリーダーであり続けており、3つのKPI全てで首位または首位に近い順位を維持しているという。
だが、最近の調査ではAmazonが躍進しており、Amazonの開発者向け支援プログラムの利用者数は、世界の開発者数(現在2430万人)の増加率を上回るペースで増えている。
これに対し、GoogleとMicrosoftの開発者向け支援プログラムの市場シェアは、わずかに低下している。Amazonの開発者向け支援プログラムは満足度が大きく上昇しており、同社が積極的な成長戦略を進めていることを考えると、GoogleとMicrosoftも安泰ではなさそうだと、SlashDataは述べている。
一方、右下の「スペシャリストを満足させている」に位置する開発者向け支援プログラムは、小規模で、的を絞ったものであることが多い。UnityやRed Hat、DigitalOceanなどの支援プログラムがこの位置に定着している。開発者は、これらのベンダーのリソースを頻繁に利用する必要はないが、利用時には良好なエクスペリエンスを得ている。
左上の「十分な価値を実現していない」には、開発者の利用頻度が高いものの、満足度の低い開発者向け支援プログラムが含まれている。これらは小規模な支援プログラムであることが多い。これらの支援プログラムを提供しているベンダーは、開発者エクスペリエンスの向上という明確な課題を抱えている。
SlashDataは開発者向け支援プログラムに含まれる20以上のリソースのうち、開発者が最も重要と評価する上位5つを次のように報告している。
(1位)ドキュメントとサンプルコード
(2位)チュートリアルとハウツー動画
(3位)開発ツール、統合、ライブラリ
(4位)トレーニングコースとハンズオンラボ
(5位)技術サポート
SlashDataは年2回、160カ国以上から回答する2万1000人以上の開発者の現状調査を行っており、Developer Program Benchmarking調査の分析はそのデータに基づいている。
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