昨今、エンジニアの転職市場が活発になっている。しかし、その内容は若干混沌(こんとん)としつつもある。未経験&微経験エンジニアが増え、エンジニアの能力に磨きをかけなければ、価値が低下してしまうという課題もある。端的にいえば、「私は○○と××ができます」といった、技術のポートフォリオだけで判断される可能性もある。
一方、現場においては、ポートフォリオの豪華さだけで仕事ができるわけではない。エンジニアはモダンな技術の習得に際し、どのような捉え方で臨むべきなのだろうか。
アトラエで採用にも携わっている篠隈氏は、「何を持ってモダンな技術とするかは議論がありますが、エンジニアを見る上で『モダンな技術を触っていること』自体はありがたいと思います。ただ、エンジニアリングを突き詰めていくと、新技術が出てきても本質的には変わりはありません。そういうところに触れる前に新技術だけを渡り歩くようなエンジニアは、実際のサービス開発において活躍できるかどうかは分からないと判断されることもあります。基本的にはまず、きちんと作り上げることを目指してほしいものです」と述べる。
ISTのT.A氏も同様だ。「論理的思考能力があれば、どの言語で書くのも問題はありません。知的欲求として、これくらいまでは触れておこうという考えがある方が大事だと思います。例えば3日間Mozillaの資料を読めばJavaScriptくらいマスターできる、みたいな(笑)」。
確かにモダンな技術に触れることは大事ですが、一部歪曲(わいきょく)して解釈されている場面もあるんじゃないかと思います。
トレンドの移り変わりに対応していくためには、そうした技術自体よりも、それらに対応できる「基礎知識(言語の仕様など)」や「アンテナを張っているか(普段から技術ニュースを追っているかなど)」がより重要だと思います。
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