Windows 11/Windows Server 2022に対応した「Windows Admin Center 2110」がリリースMicrosoft Azure最新機能フォローアップ(160)

Microsoftは2021年11月2日(米国時間)、「Windows Admin Center(WAC)」の最新のメジャーバージョン「WAC 2110」のリリースを発表しました。Windows Server 2022、Azure Stack HCI 21H2、Windows 11のリリース後に登場したWAC 2110は、当然、これらの最新OSに対応しています。

» 2021年11月11日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]

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「Microsoft Azure最新機能フォローアップ」のインデックス

Microsoft Azure最新機能フォローアップ

最新OS対応の「Windows Admin Center 2110」

 「Windows Admin Center(WAC)」は、Windows Serverや「Windows 10」「Microsoft Azure」、そして2020年末からは「Azure Stack HCI」の構成と管理に対応したWebベースの統合サーバ/クラスタ管理ツールです。

 「Project Honolulu」として開発が進められ、2018年春に最初のバージョン「WAC 1803」がリリースされて以降、おおむね半年ごとにメジャーバージョンがリリースされ、品質改善や機能強化が行われてきました。最新の「WAC 2110」は、「Windows Server 2022」、Azure Stack HCI 21H2、「Windows 11」がリリース後の初めてのメジャーリリースであり、これらのOS環境へのインストールと、これらのサーバ/クラスタ管理に正式に対応します。

 既にWAC 2103.2を利用中であれば、WAC 2110が利用可能になったことを検出して、2週間後に自動更新でアップグレードするようにスケジューリングされます(画面1)。「設定」の「更新」から「今すぐインストール」を選択して「更新プログラムのインストール」をクリックすることで、すぐにアップグレードを開始することもできます。

画面1 画面1 WAC 1803.2を利用中の場合は、2週間後の自動アップグレードがスケジューリングされる。すぐにアップグレードすることも可能

 なお、WACの新バージョンがリリースされると、1つ前のバージョン(今回は1803.2)は30日後にサポートされなくなることに注意してください。少なくとも2021年11月中にアップグレードを済ませましょう。

 WAC 2110を新規導入する場合は、以下のサイトからインストーラーファイル(WindowsAdminCenter2110.msi)を入手してインストールできます。WAC 2110は、Windows 10またはWindows 11(デスクトップモード)、「Windows Server 2016」以降(ゲートウェイモード)にインストールできます。

 ゲートウェイモードは通常、リモートのモダンブラウザから接続して管理するものですが、Windows Server 2022のデスクトップエクスペリエンス環境にインストールする場合は、「Microsoft Edge」が既定でインストールされているため、Windows 10やWindows 11の場合と同様に、ローカルのMicrosoft Edgeで管理することができます(画面2)。

画面2 画面2 Windows Server 2022のデスクトップエクスペリエンス環境の場合は、ローカルのゲートウェイにローカルのMicrosoft Edgeから接続して管理できる

新しくなった「セキュリティ(プレビュー)」拡張

 Windows Server 2022では、ハードウェアベースのセキュリティ機能の条件を定めて「セキュアコアサーバー(Secure Cored Server)」認定プログラムが用意されます。WAC 2110の「セキュリティ(プレビュー)」ツールを使用すると、管理対象のサーバハードウェアがセキュアコアサーバー認定で定める機能をサポートしているかどうかを確認でき、一部の設定については有効化/無効化できるようになっています(画面3)。なお、この拡張機能の当該バージョン(Security《Preview》0.42.0)は、2021年10月下旬にWAC 1803.2で利用可能になっていました。

画面3 画面3 「セキュリティ(プレビュー)」ツールでは、セキュアコアサーバーのハードウェア要件への準拠状況が確認できるようになった

「ダッシュボード」機能の実験的な提供

 WAC 2110では、ユーザーからのフィードバックに応える形で、複数のリソース状況を俯瞰できる「ダッシュボード」機能が、実験的な機能として搭載されました。まだ予定しているフル機能を備えたものではありませんが、この機能は「設定」の「詳細設定」を開き、「実験キー」に「msft.sme.shell.multiResourceDashboard」と入力して再読み込みすることで試用できます(画面4)。

画面4 画面4 実験的な機能「ダッシュボード」では、複数のサーバまたはクラスタの「CPU使用率」「メモリ使用量」「ディスク使用量」を1つの画面で確認できる

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP 2009 to 2022(Cloud and Datacenter Management)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。


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